【更新日:2021年2月26日 by おざけん】
引用:ファーストリテイリング サステナビリティレポート2021
ユニクロやGUなどのファッションブランドを展開するファーストリテイリングは2月2日、「ファーストリテイリング サステナビリティレポート2021」を発表した。
同社は「服のチカラを、社会のチカラに。」というサステナビリティステートメントを掲げている。コロナ禍で人々のサステナビリティに対する関心が高まっていることを受け、2006年から報道機関向けに発行を続けてきたサステナビリティレポートを消費者向けに全面刷新した。
巻頭特集には、柳井正会長兼社長と『2030年ジャック・アタリの未来予測』『食の歴史』をはじめとした著書で知られるフランスの思想家、経済学者、未来学者のジャック・アタリ氏の対談を掲載。アタリ氏が提唱する「命の経済」や「利他主義」といった社会的・経済的危機への処方箋となる理念に触れつつ、環境問題を解決するためにグローバル企業のあるべき姿について語っている。
また、消費者から回収した服を再利用(REUSE)や循環型リサイクル(RECYCLE)に役立てるほか、余分な廃棄物、温室効果ガス排出量、資源使用量を削減(REDUCE)する取り組み「RE UNIQLO」などの社会貢献活動についても特集している。新型コロナウイルス感染症への取り組みについても触れた。
ファーストリテイリングは24日にも、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携してアルゼンチン、イラク、エジプト、チリ、ボリビアの5カ国を含む難民・避難民に、ユニクロの「エアリズムマスク」計約100万枚を寄贈することを発表している。
ESG投資やダイベストメントといった投資家の動きも広がりつつある昨今、企業には社会的責任を果たす必要性が問われている。持続可能な産業基盤を構築できなければ資本主義経済の成長が立ち行かなくなることは明白な以上、ファーストリテイリングのようにサステナブルな経営モデルを打ち立て、アピールする企業は今後ますます増えてきそうだ。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。