【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ】
SDGsは、世界の持続可能性を追求し、実現するための重要な目標として定められました。
しかし、万人がSDGsに共感しているわけではなく、中にはSDGsを懐疑的な目でとらえ胡散臭いと感じてしまう人もいます。
https://twitter.com/k0ii6/status/1425460579422990338?s=20
この記事では、なぜSDGsが胡散臭いと思われてしまうのか、その要因を徹底解説します。
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SDGsが胡散臭いと感じる理由
胡散臭いとは、なんとなく疑わしい・怪しい状況のことを指します。それでは、SDGsがなぜ「胡散臭い」と感じられてしまうのか、解説していきます。
目標が胡散臭い
SDGsの17個の目標には「すべて」や「ゼロに」をはじめとした極端な表現が多く見られます。定めた目標が現実味を帯びていないことは、SDGsが綺麗事として捉えられてしまう原因の1つであると言えるでしょう。
また、目標やターゲットが網羅的でないことも胡散臭いと言われてしまう要因の1つです。例えば、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」では、「ジェンダー」の平等を掲げていますが、ターゲットを読むと「女性」にしか焦点を当てていないことがわかります。ジェンダーの多様性が認知されている中、男女二元論に基づいたターゲットであることは、目標として不十分であると認識されてしまう可能性があります。
さらに、SDGsの17個の目標を全て達成しようと、目標を1つずつ見ていくと、矛盾が起きることがわかります。1つの目標を達成しようとすると他の目標に影響する、極端な例を以下で挙げています。
「持続可能な社会」が胡散臭い
SDGsは日本語で「持続可能な開発目標」と訳されるように、持続可能な社会の創造を目指す世界共通の目標です。しかし、この「持続可能な社会」とは一体どのような状況を表すのかという公式の定義はありません。「より良い世界を築く」などと抽象的に表される場合もありますが、誰基準で「良い」と判断するのか疑問が残ります。
さらに、世界の持続可能性に最も必要であると考えられる、戦争撤廃に関する目標がないことも、国連の定める「持続可能な社会」とはなにかを疑ってしまう要因です。
また、地球の持続可能性を追求する際に用いられる「地球温暖化の原因は二酸化炭素にある」という説にも賛否両論あります。
二酸化炭素の排出を抑えるため脱炭素社会を目指す国や企業が多く出てきているなか、空気中の約0.03%しか占めない二酸化炭素の濃度の上昇が果たして本当に地球の温度の上昇に影響しているのかと疑問に思う人もいます。実際「地球温暖化は単に地球の自然のサイクルだ」と提唱する学者も存在します。そのため地球温暖化の原因が二酸化炭素だと限定してSDGsの目標を定めてしまっているのではないかという意見もあります。
このように「多方面からの意見を取り入れない、偏った目標」と非難されることもSDGsが胡散臭いと言われてしまう要因です。
SDGsによって、世界が持続可能の構築が促されていますが、結局は先進国が主導となって取り組まなければ解決しない問題であることは言うまでもありません。元々の生活水準が低く、先進国との格差が広がっている開発途上国が自らSDGsに取り組み、課題を解決することは難しいでしょう。世界各国が連携して目標解決に向かうことが望ましい姿ですが、世界規模での根本的な格差をなくすことが、持続可能な社会の形成に欠かせないのではないでしょうか。
SDGsバッジが胡散臭い
SDGsバッジと呼ばれる17色の円状のバッジを身につけている人を見かけたことがある人もいると思います。SDGsに取り組んでいる証としてバッジをつける人がいるなか、形式的に“ただつけているだけ”の人も存在します。
社会貢献活動をしている、または貢献意欲があるアピールとなるSDGsバッジですが、SDGsに関心があるだけ、SDGsの活動を支援しているだけでは、バッジをつける意味がないと感じる人も少なくありません。また、SDGsバッジは誰でも購入できてしまうため、SDGsに取り組んでいるように見せかけてSDGsバッジをつけているだけの人が生まれてしまい、SDGsバッジの信頼性が低くなり胡散臭いと言われてしまう要因になっています。
詳しくはSDGsバッジの記事へ▼
「SDGsは胡散臭い」と感じないためには
上記の理由などから、「SDGsは胡散臭い」と感じる人が一定数いると考えられます。
では、どのようにしたらSDGsの胡散臭さを取り除けるのでしょうか。
「自分ごと」に落とし込む
「SDGs」と聞くと国連や各国政府が取り組むべきテーマであると考えてしまう人も多いでしょう。もちろん、日本政府もSDGsに関する取組を数多く行っており、その様子はテレビなどのマスメディアにも近年数多く取り上げられています。
しかし、本当にSDGsは国連や各国政府だけが取り組むべきものなのでしょうか。
SDGsは世界の一人ひとりが自分ごととして取り組んでこそ、達成できる目標です。
実際、私たち個人でも取り組めることは多くあります。
例えば使用していない部屋の電気や電化製品の電源をこまめに消して電力消費を抑えることも個人で取り組めるものです。
また2020年7月1日からプラスチック製買物袋の有料化開始に伴い、マイバッグを持ち歩く人も増えたのではないでしょうか。
これも個人単位でのSDGsへの取り組みの1つと言えます。
その他にも個人でできるSDGsへの取り組みは多くあります。
https://sdgs-connect.com/archives/5241
普段から一人ひとりがSDGsの視点で身の回りを振り返り、SDGsを自分ごとにしていくことで、2030年のSDGs達成の実現につながるでしょう。
1つの意見・見解として認識する
世の中にはさまざまな立場の人が存在します。「SDGsは胡散臭い」と思う人がいても仕方のないことなのかもしれません。しかし、否定的な考え方だけではなく、SDGsに対して肯定的な意見もあると認識することが大切です。
「SDGsは偏った胡散臭い目標である」という考えを強く持ちすぎると、その考え方こそ”偏った考え”になってしまうのではないでしょうか。
SDGsに対して正しい知識を身につけ、その上でSDGsの問題点などの否定的な意見も持つことは非常に大切です。そのため最初からSDGsを”胡散臭い”と切り捨てるのではなく、「こういう考え方もあるのか」とSDGsに対する肯定的な取組や意見がある事も認識することが非常に重要です。
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
▼各目標の詳細は以下の画像をクリック
▼SDGsについて詳しくはこちら
まとめ
いくらSDGs自体が胡散臭いと言われようと、SDGsの目標は2030年まで変わりません。
SDGsのマイナスな点を理解することは、SDGsの本質をつかむことにもつながり、より深く的確なアプローチが考えられるでしょう。
SDGsを自分ごと化し、自身の行動が胡散臭いと思われないようちゃんと本質を理解した上で取り組む必要があります。
詳しくはSDGs問題点の記事へ▼
SDGs CONNECTライター。マーケティングに興味があります。十人十色の社会を目指して、多様な情報・価値観を発信していきます。好きなキャラは綾波レイ。