【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ】
SDGsは日本だけでなく、世界各国で注目されています。しかし、私たち一人ひとりがSDGsについてどのように考え、どのように行動したいと思っているのかを発表する機会はあまりありません。
そこで今回紹介するのはSDGsをテーマにした作文コンクールです。
どのようなコンクールがあるのか、どのような作品が賞を取っているのかをはじめ、「SDGsをテーマにした作文の書き方」を伝授したいと思います。
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
▼各目標の詳細は以下の画像をクリック
▼SDGsについて詳しくはこちら
2021年度開催されるSDGsをテーマにした作文コンクール一覧
各コンテストの概要
第61回国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト募集テーマ ▲上記のうち1つを選んで制作 賞 応募者のうち、特賞4名・優秀賞3名・その他の賞(金賞・銀賞・佳作)11名の合計18名に賞状が贈られます。入選者のうち特賞の4名は、来年の春休み期間中、オンラインセッションなどを通して国連について学ぶ研修を行う予定です。 特賞(4篇) 優秀賞(3篇) その他 |
第2回 SDGs「誰一人取り残さない」をテーマにした小論文・作文コンテスト募集テーマ:SDGsの基本理念「誰ひとり取り残さない」の視点で考えること、提言、自分のやろうと思うことなど 賞 ▶大賞(3名) 副賞:3万円 参考:SDGs「誰ひとり取り残さない」小論文コンテスト募集要項・応募フォーム | 野毛坂グローカル (nogezaka-glocal.com) |
国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト募集テーマ:「私たちと地球の新しい未来」 主催:JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト全国運営事務局 <中学生の部> <高校生の部> 募集期間:2021年6月7日(月)~2021年9月11日(土) 賞 最優秀賞と優秀賞の受賞者は約1週間の海外研修旅行・審査員特別賞と国際協力特別賞の受賞者はフェアトレード商品が副賞として贈られる。 個人賞 ▶最優秀賞(3名) 学校賞 ▶学校賞 |
過去の受賞作品
今回はさまざまなSDGs関連の作文コンクールの過去の受賞作品の中から私がみなさんにぜひ読んでほしい3作品を掲載します。
テーマや年齢は違えど、「未来を良くしたい」という熱い想いがこもった作品なので、気になった方は実際に作品をご覧ください。
過去の受賞作① SDGs学生小論文アワード 『オレンジ企業』 森 陽愛子(筑波大学医学群医学類4年)
この作品は2018年の第5回SDGs学生小論文アワードで最優秀賞を受賞した作品です。
「SDGs(持続可能な開発目標)を達成するためにどうイノベーションを起こすかー「未来に選ばれる会社」とはー」というテーマで募集された中で、彼女は「オレンジ企業」を提案しています。
オレンジ企業とは、
1.従業員のwell-beingに取り組んでいること
2.消費者のwell-being に取り組んでいること
3.1及び2が健康を意識せずとも実現されること
で定義されるとし、その理想や実現可能性について論じていきます。
ESG投資が一般的になり、企業のSDGsへの取り組み方が注目されている中で、健康と働きがい、顧客満足は全て満たせるのかを論じた作品です。
公開されている作品はこちらから▼
Microsoft Word – 最優秀賞 「オレンジ企業」 森 陽愛子様(筑波大学医学群医学類4年).docx (sr-s-award.jp)
過去の受賞作② JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2019 『私の手』髙橋 麗(秋田大学教育文化学部附属中学校 2年)
この作品はJICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2019「よりよい世界の未来を目指して-私たちから始まる一歩-」の中学生の部で最優秀賞を受賞した作品です。
作者自身が体験したスイス・ジュネーヴとフィリピン・マニラへの留学をメインに、経験から知識を得るだけでなく実際に体験することの大切さを書いています。
作品のタイトルになっている『私の手』とは、留学中に出逢った貧困層の子どもたちにあげられなかった飴玉を「ポケットの中で握りしめた手」のことです。
奪い合いになると分かっていても3つしかない飴玉をあげるべきだったのか、と悩む作者が本当の自分の手の活用法を考え自分の進むべき道を決める作品です。
公開されている作品はこちらから▼
j_highest01.pdf (jica.go.jp)
過去の受賞作③ 産経「高校生文化大賞」 『創造する・挑戦する』ー挑戦することを恐れずにー 黄蘭帆(宮崎県立宮崎大宮高等学校2年)
この作品は第51回産経「高校生文化大賞」で最優秀賞を受賞した作品です。
「私の両親は中国人です。」という文章から始まるこの作文は、中国国籍という自身の出生をコンプレックスに感じる作者が自分のふるさとはどこなのかという問いかけがテーマになっています。
産まれた国が故郷なのか?育った国が故郷なのか?それとも両親の国籍で決まるのか?なくならない人種差別にどう向き合うのかを考えさせられる作品です。
公開されている作品はこちらから▼
01_51.pdf (sankeisquare.com)
SDGsをテーマにした作文の書き方
書き方のすすめ① 身近なことをテーマにする
作文を書くにあたって1番難しいのはテーマ選びだと思います。
特に「SDGs」という難しくてあまり馴染みのないお題の中で、何を書くか決めるのに困惑する人も多いかもしれません。
そこで私がおすすめするのは、「身近なことをテーマにする」という方法です。
SDGsをテーマにしようとすると海洋汚染の問題や児童労働問題など壮大なことをテーマに選んでしまいがちです。
しかし、自分の身の回りの小さなことを取り上げ実体験からSDGsを考えることで、説得力のある文章を書くことができます。
例えば、家の近くのコンビニに行ってよく探してみるとSDGsの関連商品が多いことに気が付くと思います。
なぜコンビニはSDGsに力を入れているのか?何故いままでこの商品に気がつかなかったのか?他の企業はどのような取り組みをしているのか?
このように身近なことにさまざまな視点を持って物事を考えてみるとテーマを決めやすくなると思います。
書き方のすすめ② 本や記事を読んでみる
SDGsを難しいと感じるのはSDGsのことをよく知らないから、という可能性もあります。
専門的な言葉が多いイメージを持っている人もいるかもしれませんが、本やSDGsをテーマにしたWebサイトは簡単な言葉でSDGsを紹介しているものも多くあります。
そのため、まず簡単な記事などを読み、ある程度の基礎知識を付けてから作文に取り掛かることをおすすめします。
知らない間に食べていたお菓子がフェアトレード商品だったり、よく行くカフェがプラスチック削減に貢献していたり、新たな発見があると思います。
もちろん作文を完成させることも大切ですが、知識がない中で書いた作文よりも格段に想いが伝わる作品になると思います。
書き方のすすめ③ 分からない言葉を使わない
作文を書き進めると専門用語など分からない言葉にぶつかることもあると思います。
その時に意味を分からないまま使ってしまうのではなく、1度調べてみる必要があります。
この文章にあった言葉なのか、もっと簡単な表現に言い換えられないかということを考えて、その言葉が適正かを検討します。
作文で1番大切なのは自分の想いを伝えることであって、知識を披露することではありません。自分が分からなかった言葉をあえて使用する必要があるのかを考えて、「賢そう」な単語を切り捨てる勇気を持つことが大切です。
まとめ
今回はSDGsをテーマにした作文コンクールを紹介しました。
この作文コンクールは2021年に開催されているものなので、興味のある方はぜひ応募してみてください。
また作文コンクールでなくても、今後SDGs関連の作文を書く機会も増えると思います。
その時に自分の想いを伝える文章を書けるようにぜひSDGsの勉強をしてみてください。