【更新日:2021年10月4日 by 鈴木 智絵】
SDGsの注目が高まり、多くの企業でSDGs達成に向けた取り組みが始まっています。
一方で、国内にSDGsに関連したどのような取り組み事例があるのかを知りたい方も多いでしょう。
この記事では、日本国内でSDGsに関連した51の取り組み事例を17のゴール別に紹介します。
SDGsに取り組む参考にしてみてください。
見出し
- 1 日本のSDGsの取り組みの現状
- 2 SDGsを推進している企業の特徴
- 3 企業・団体の取り組み51選
- 3.1 目標1「貧困をなくそう」
- 3.2 目標2「飢餓をゼロに」
- 3.3 目標3「すべての人に健康と福祉を」
- 3.4 目標4「質の高い教育をみんなに」
- 3.5 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
- 3.6 目標6「安全な水とトイレを世界中に」
- 3.7 目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
- 3.8 目標8「働きがいも経済成長も」
- 3.9 目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」
- 3.10 目標10「人や国の不平等をなくそう」
- 3.11 目標11「住み続けられるまちづくりを」
- 3.12 目標12「つくる責任 つかう責任」
- 3.13 目標13「気候変動に具体的な対策を」
- 3.14 目標14「海の豊かさを守ろう」
- 3.15 目標15「陸の豊かさも守ろう」
- 3.16 目標16「平和と公正を全ての人に」
- 3.17 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
- 4 その他の企業の取り組み
- 5 まとめ
- 6 SDGsとは
日本のSDGsの取り組みの現状
日本企業のSDGsへの取り組み率には大きな課題があります。
日本の企業の中でSDGsに積極的に取り組んでいるのは 24.4%、4社に1社程度しかないと言われています。
また、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は8.0%しかなく「意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている」企業は16.4%だと言われています。
積極的な企業がある一方で、半数近くはSDGsを認知しつつも取り組んでいないのが現状です。
詳しくは以下の記事でも紹介しているので、興味のある方はあわせてご覧ください。
SDGsを推進している企業の特徴
企業がSDGsに取り組むべき理由
企業がSDGsに取り組む理由は、企業価値の向上につながる、もしくは将来のビジネスチャンスになると捉えているためです。
企業は、これまで消費者に求められる製品やサービスを提供してきました。
しかし近年では、少子高齢化や消費者ニーズの多様化などにより、「消費者のニーズが計りきれない」といった課題を抱える企業が増えています。
そのような企業が、長期的に発展していくためには、社会のニーズを掴んでいくことが必要不可欠です。
そこで「SDGs」が注目を集めています。
SDGsの根幹の考え方である「持続可能な開発」は、「将来世代のニーズを損なわずに、現役世代のニーズを満たす開発」のことを指すため、社会の課題と長期的なニーズがつまっているからです。
企業はこれまで企業の社会的責任の観点から、主にボランティア活動などを通して社会貢献を行ってきました。
しかし、SDGsでは企業の本業を通じて目標達成に取り組むことが重要です。
そのため、SDGsの目標を達成するには、改めて企業の本業の意義を見直し、普段の業務の中から行動していかなければなりません。
▼SDGsを本業に取り込む重要性について詳しくはこちら
目標(ゴール)ごとの業界の特徴
SDGsに取り組む企業は複数の目標に貢献する活動をしています。
中でも1番多いのは「事業内容とマッチした目標への取り組み」です。
食品メーカーが目標2の「飢餓をゼロに」、塾や学校が目標4の「質の良い教育をみんなに」、不動産企業が目標11の「住み続けられるまちづくりを」のゴールに向けてプロジェクトを始動するなど、その企業が既に取り組んでいる活動や事業を変化させていくことでゴールを目指す方法もあります。
しかし、その一方で、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」目標8「働きがいも経済成長も」目標10「人や国の平等をなくそう」などの事業内容と関係が薄い目標に関しては、体内向けとして企業の働き方や採用方法の変更、対外向けとして事業以外の取り組みが行われています。
企業・団体の取り組み51選
目標1「貧困をなくそう」
企業①:パナソニック「かものはしプロジェクト」
Panasonicは、農村地域で雇用を創出し、子どもが売られない世界をつくることを目的とし、「かものはしプロジェクト」を行っています。
このプロジェクトでは経済格差が広がるカンボジアで、子どもが売られない仕組みを作るために、最貧困層の女性向けの雇用創出と人身売買の規制支援を行っています。
具体的には大人が安定的な収入を得て、子どもを売らなくても良いように、エコバッグやブックカバーなどを制作する雑貨屋で雇ったり、警察による取り締まり強化を支援したりしています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
企業②:株式会社ジモティー
ジモティーは「地元の掲示板」をオンライン化させたサービスであり、要らなくなったものを「売りたい人」と「買いたい人」をマッチングさせてくれます。
この会社は、日本のひとり親世代の約半分(65万世帯)がジモティーを利用しているということに目をつけ、ひとり親支援のキャンペーンを実施しています。
キャンペーン内容では、ひとり親の方に向けて家電やベビーカーなどを譲るとしたユーザーとそのひとり親の方に対して、1000円分のAmazonギフトカードを進呈しています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:ひとり親応援キャンペーン|中古あげます・譲ります/無料広告・無料掲載のジモティー フリマ/掲示板 )
企業③:株式会社オハナ不動産
株式会社オハナ不動産では、住宅ローン返済困難者を任意売却により救済、経済的困窮からの脱却を支援しています。
不安定な経済や雇用、不慮の事故や病気、また、昨今では離婚も理由として、住宅ローンの返済が困難となる方が多くいると言われています。
そして、無理な返済を続けたり、返済できず競売へと至って多額の債務を抱えたりで、さらなる経済的困窮、貧困へと至る方も多くいます。
そこでオハナ不動産では、「任意売却」を通じて困難となった住宅ローンの返済を停止、市場価格に近い価格での売却を実現することで、さらなる経済的困窮や貧困の撲滅、また、それらを未然に防いでいます。
(参考:SDGsの取り組み | 株式会社オハナ不動産 )
目標2「飢餓をゼロに」
企業①:長野県松本市「30・10運動」
日本では各地域でフードロス削減のために様々な取り組みが行われています。今回取り上げる「残さず食べよう!30・10(さんまるいちまる)運動」もその1つです。
この取り組みは長野県松本市が行っているもので、飲食店での食べ残しによる食品ロスを削減するための運動です。
飲食店から廃棄される生ごみの56%が食べ残しによるものだという事実に基づき、食べ残しの削減が食品ロスを減らすことに繋がることから、このような取り組みが2019年にスタートしました。
取り組みの名前になっている「30・10(さんまるいちまる)」は「10月30日」が「食品ロス削減の日」に定められていることが由来になっています。
またこの「30・10(さんまるいちまる)」は、宴会時における食べ残しを減らすためのタイムスケジュールも表しています。
乾杯の後の30分間とお開き前の10分間は自分の席について料理を楽しみ、「もったいない」を心がけ、食品ロス削減に取り組むのがこの活動です。
松本市の中で食品ロス削減を推進する飲食店、宿泊施設等又は事業所などは「残さず食べよう!」推進店・事業所として認定されており、認知されている施設を使用することが市民にも推奨されています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:松本市「残さず食べよう!」推進店・事業所認定制度~すすめよう!30・10運動~ 松本市ホームページ )
(出典:残さず食べよう!30・10(さんまる いちまる)運動 松本市ホームページ)
企業②:キューピー「卵殻の有効活用」
キユーピーグループは、日本の卵生産量の約10%(1年間で約25万トン)を使用しており、卵殻は約2.8万トン発生しています。
廃棄すると環境へ多大な負荷が掛かるため、1956年から卵殻を天日で干し、土壌改良材(肥料)として農家へ販売し、現在は社内外と協働することで卵殻を100%有効活用しています。
また、この取り組みについては多くの評価を受けており、「令和元年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰(3R推進功労者等表彰)」の農林水産大臣賞を受賞したほか、第7回「食品産業もったいない大賞」の農林水産省食料産業局長賞も受賞しました。
(参考:サステナビリティ | キユーピー)
企業③:日清食品グループ
日清食品グループでは、災害支援および飢餓支援を行っています。
主力製品であるインスタントラーメンは、常温で長期間保存でき、お湯さえあればすぐに食べられることから、災害時の食事として優れています。
そこで日本や世界で大規模な自然災害が発生した際には、被災地にインスタントラーメンを無償で提供する取り組みをしています。
また、国連WFPを支援しており、災害や紛争時の緊急支援、栄養状態の改善、学校給食の提供などを行っています。
(参考:サステナビリティ推進体制 | 日清食品グループ )
目標3「すべての人に健康と福祉を」
企業①:富士通
富士通では、自社のデジタルテクノロジーを国民の健康を守るために積極的に活用しています。具体的には、新型コロナウイルス流行の際に、医療従事者の感染リスクを押さえながら、感染状況や正確な情報を収集すべく、各自治体に相談窓口となるチャットボットを整備したり、演算速度世界一のスーパーコンピューター「富岳」を活用して、新薬の開発や飛沫感染のシミュレーションなど、幅広い社会問題の解決に貢献しています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(出典:富士通)
企業②:日本生命“「ニッセイ出産サポート給付金付3大疾病保障保険“ChouChou!シュシュ”」
日本生命が提供しているこの保険は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中と死亡に加え、出産や特定不妊治療に備える保険です。
所定の出産をした場合、支払回数の限度なし出産給付金を受取れ、特定不妊治療を受けた場合、12回まで特定不妊治療給付金を受取れます。
女性の出産に関する保険は今まで少なく、高額な費用の負担を強いられてきましたが、この保険はそれを助けるための取り組みです。
(参考:ニッセイ 出産サポート給付金付3大疾病保障保険 ChouChou! | 日本生命保険相互会社)
企業③:ザ・コーポレートゲームズ 東京 実行委員会
この大会は8歳から120歳まで、老若男女、国籍や宗教問わず誰でも参加できる開かれた大会です。
男女の体格差がハンデとなってしまわないように特別ルールを導入する事や、一部種目を除き、健常者も障がい者も同じ場所・時間・ルールで競技へ参加できることが特徴です。
また地元の商店街がチームを組んで参加できるなど、地域のコミュニケーションコンテンツとしての面もあります。
大会へ向けての社内練習会や、参加者チーム間による社外練習マッチングサービスを実施し、地域・企業のコミュニケーションコンテンツの1つとしての役割も果たしています。
(参考:持続可能な開発目標(SDGs)への取り組み | コラム | ザ・コーポレートゲームズ東京 2018 アジアパシフィック )
目標4「質の高い教育をみんなに」
企業①:リコー「リコーインド教育支援プログラム」
リコーは事務機器、光学機器などを製造しているメーカーです。
そんな教育現場をサポートする製品やサービスを提供しているリコーが、セーブ・ザ・チルドレンとの協働しインドの学校に製品・サービス・それを活用できる環境を提供しているのがこの活動です。
2011年から2014年にかけては第1段階として、学びのためのネットワークを作りあげました。デジタル印刷機を活用した授業の改善と教員、行政、保護者、地域の人々の能力強化に重点を置き教育支援を行い、結果として子供たちが学びやすく、学校に行きやすい環境を整えることができています。
そして2014年からは第2段階として、楽しく学ぶ授業を創るということを推進しています。プロジェクターとデジタル教材の提供をすることで、授業の質を高め、子供たちがより楽しみながら学べる授業作りを支援しています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:リコー インド教育支援プログラム / 企業の社会的責任(CSR))
企業②:KUMON「障害児・障害者への教育提供」
KUMONグループは、児童福祉施設や児童発達支援、放課後等デイサービス、就労移行支援、自立訓練施設などに公文式学習の提供を行い、障害がある子どもや大人に対して療育サービスや就労訓練のサポートを行っています。
公文式の学習を通じて読み・書き・計算力の基礎学力をつけることはもちろん、自ら学ぶ力や目標を達成する力を身につけ、自己実現するための土台を築くことを目的としています。
また、大学・高校・専修学校の留学生や日本企業で専門業務に就く外国人社員に対する社内教育、外国人技能実習生向けの研修用ツールとしても公文式日本語学習が活用されています。
(参考:持続可能な未来のための教育 | 2019年度KUMONの環境への取り組み | 会社概要 | 企業情報 | 公文教育研究会)
企業③:SMBC 日興証券
SMBC日興証券は、日々変化する人口動態に適応した金融サービスを提供することによって人々の生活をよりよいものにするための活動をしています。
2019年から人生100年戦略室を開設するなど、誰もが安心して金融にアクセスできるようなサービスを構築しています。
日本において各世代別に金融リテラシー向上のためのプログラムを提供し正しい資産形成、健全な資本市場を実現するために貢献しています。
(参考:当社におけるサステナビリティ│当社におけるサステナビリティ│SMBC日興証券)
(参考:SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは?日本企業の取り組み・現状・私たちにできること・ターゲットなど解説 | KAYAKURA-カヤクラ-)
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
企業①:花王
大手化学メーカーである花王は、世界各国のジェンダー平等の取り組みが優れている企業に贈られる「2020年男女平等指数」(ブルームバーグ社主催)に選ばれました。
国内では、日経WOMANと日経ウーマノミクス・プロジェクトが実施する「女性が活躍する会社BEST100」において2020年度3位でした。
取り組みとしては、1990年代に育児支援制度を確立し、以降、女性の結婚や産後の働き方改革や育児と仕事の両立を叶えるワークライフバランスを支える施策を行なっています。その結果、2019年度の女性管理職比率は21.2%を達成しました。さらに、2018年には花王グループの美容系の子会社2社の社長に女性が就任するなど、女性の活躍を積極的に推進しています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参照:2020年版「女性が活躍する会社BEST100」 総合ランキング1位は日本IBMに)
企業②:エスビー食品「S&Bポジティブアクション」
エスビー食品では、多様な人材の採用や育成、登用を積極的に進めることで企業活動に多様な視点を取り入れ、イノベーションを生み出すことのできる組織を目指しています。
その一環として、2014年12月に「S&Bポジティブアクション」を制定し、女性の採用や管理職登用における具体的な数値目標を定めて取組みを進めています。
またベテラン社員の豊富な経験や知恵・技術の伝承による組織力向上を目指した「定年退職者再雇用制度」の運用などを行っています。
この取り組みは女性活躍推進への取組み状況が優良な事業主として、2016年9月に、厚生労働大臣による認定「えるぼし認定(2つ星)」を受けました。
2020年4月現在は、女性役員として2名を任用するほか、女性管理職比率は約17%と他企業よりも高い割合を占めています。
(参考:エスビー食品とSDGs|サステナビリティ|S&B エスビー食品株式会社 )
企業③:ヤクルトグループ
ヤクルトといえば、商品を自宅や勤務先に届けてくれる「ヤクルトレディ」の存在が有名です。
1963年にスタートしたこの独自のシステムは、海外にも広がり、事業を拡大する大きな原動力になっています。
女性が活躍し働きやすい環境づくりとして、ヤクルトレディのお子さんをお預かりする保育所(認可・認可外含む)を運営しています。
また、社員・ヤクルトレディを問わず、会社の方針に従って成果を出した人、努力した人、目標に向かってチャレンジした人が報われるキャリアアップ制度が用意されており、ヤクルトレディにおいては、意欲のある人、会社が示す一定条件を満たした人は、働き方の選択ができる社員へ登用できるようになっています。
(参考:ヤクルトにおけるSDGs | CSR活動 | ヤクルト本社)
(参考:ヤクルトにおけるSDGsへの取り組み-持続可能な社会の実現に向けて)
目標6「安全な水とトイレを世界中に」
企業①:シャボン玉石けん
石鹸の起源はおよそ1万年前にもなると言われており、その成分は自然由来です。つまり、古来から作り伝えられてきた石鹸を利用して排出される生活排水は微生物の栄養源となり、短期間のうちに生分解されるということです。そして石鹸は再び自然に還っていきます。
このような石鹸の特徴を大切にし、シャボン玉石けんでは無添加にこだわり、その安全性を高めた製品の普及に努めています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:SDGsへの取り組み|SDGs|無添加石けんの「シャボン玉石けん」)
企業②:明治グループ「水の適正管理と水リスク対策」
明治グループは国内外の事業所における取水・排水のデータ取得と開示をしています。
計画的に節水に配慮した設備を導入し、水使用量の削減に努めています。
また、日本国内において法令に定められた基準よりも、独自に更に厳しい排水に関する自主基準を設定し、水質汚濁防止に取り組んでいます。
排水による影響を減らすために、排水負荷の大きい工場やプロセスでは活性汚泥処理法やメタン発酵処理法などの環境技術を用いた処理設備を設置し、排水を制御しています。
そして、水使用に関する生産への影響を把握するために、国内外の全ての生産系事業所が位置する地域の水リスクを評価しています。
世界資源研究所(WRI)が発表した国際的な水リスク評価ツールである「AQUEDUCT」を使用し、水リスクが高いと評価された地域については、現地へのヒアリングなどを通じて情報を収集し、具体的な対策を検討しています。
(参考:17の目標と食品産業とのつながり:目標6に対する取組:農林水産省)
(参考:サステナビリティ | 株式会社 明治 – Meiji Co., Ltd.)
企業③:TOTO株式会社「TOTO宮島おもてなしトイレ」
TOTOは安全で安心して使えるトイレの制作、設置に注力しています。
その中でもこの「TOTO宮島おもてなしトイレ」は日本のトイレの技術を活かした取り組みです。
このプロジェクトは、観光客の受入環境の充実および満足度の向上をめざしている廿日市市と、「日本を世界のショールームに」を合言葉にスタートしました。
TOTOのノウハウを駆使し、「男女共用個室トイレ」も設置した機能分散配慮のレイアウト、「ウォシュレット」「ハイドロソリッド」など最先端技術を備えた器具の導入など、世界中から訪れる多様な方に快適で使いやすいトイレ空間を提供しています。
(参考:広島観光のおすすめ「TOTO宮島おもてなしトイレ」 | パブリック向け商品 | 商品情報 | TOTO)
目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
企業①:アスクル株式会社
アスクル株式会社は「2025 年までに、本社および物流センターでの再生エネルギー利用率を100%にする」という中長期目標と、「2030 年までに、子会社を含めたグループ全体での再生エネルギー利用率を100%にする」という目標を掲げています。
実際に、2018年5月から順次、再生可能エネルギー由来の電力への切り替え(ネクストエナジー社のグリーナ100プラン)を行い、消費電力における再エネ率を上げていく取り組みを行なっています。
なお、アスクルは、RE100のほかに「事業運営に関係する車輌をすべて電気自動車に転換する」という「EV100」にも参加しています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:RE100とは?わかりやすく解説!日本企業の取り組みも紹介|太陽光チャンネル)
企業②:三菱商事「電動車両の普及」
三菱商事では、「低炭素社会への移行」を対処・挑戦すべき重要な経営課題の1つとして設定しています。
三菱商事はエネルギー需要の充足という使命を果たしながら、SDGsやパリ協定で示された国際的な目標達成への貢献を目指し、グループ各社と連携の上、政府・企業・業界団体等の幅広いステークホルダーとの協働を通して取り組んでいきます。
世界各国で自動車販売事業に関与する中で、日欧を中心に、走行中の環境負荷が少ない三菱自動車工業(株)製電気自動車『i-MiEV』、及びプラグインハイブリッド電気自動車『アウトランダーPHEV』の拡販・普及に取り組んでいます。
試乗会の開催、電動車両を活用したイベントへの参加、電力会社や環境問題に取り組む他企業との協業、電動車両を活用した省エネプロジェクトへの参画などを、各地で展開し、さまざまなアプローチにより、社会への浸透を図っています。
(参考:低炭素社会への移行[事例] | 三菱商事)
(参考:低炭素社会への移行 | 三菱商事)
企業③:NTT東日本
NTT東日本では、データセンターの電力使用量を抑える取り組みを推進しています。
その取り組みとして、電力使用量の半分程度を占める空調システムに着目し、「アイルキャッピング」の導入を進めています。
アイルキャッピングとは、ラック列間の通路を壁や屋根で区画し、低温のIT装置への給気とIT装置からの高温の排気を物理的に分離して効率的な空調環境を実現する気流制御技術であり、空調消費電力の約20%の削減が期待できます。
また、NTT東日本データセンターではLED照明や太陽光発電、壁面緑化、遮熱・断熱コーティングの採用により、建物全体の電力使用量の削減を進めています。
北海道データセンターでは、北海道の冷涼な外気を活用して電力使用量を抑える新型の空調設備を導入しています。
この他、室外機への散水システムの導入を一部の拠点ではじめました。放熱フィンへ直接散水し、水の気化熱を利用することで、空調消費電力の約30%の削減が期待できます。
(参考:データセンターの省エネ化への取り組み | CSR活動 | 企業情報 | NTT東日本)
目標8「働きがいも経済成長も」
企業①:イケア・ジャパン株式会社「同一労働・同一賃金」
イケア・ジャパン株式会社では、2014年9月から全ての従業員に「同一労働・同一賃金」を適用し、「正社員」の待遇を保障する画期的な人事制度を導入しています。
この人事制度では「ライフパズル」という考え方を大切にしており、“すべての雇用者の正社員化”にすることで男女を問わず、キャリアの途中で子供を育てたり、介護をしたり、あるいは勉強をしに学校へ戻ったりという選択を可能にしました。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:イケアはなぜ「同一労働・同一賃金」「全員正社員」にできたのか(前編) – 『日本の人事部』)
(参考:イケア・ジャパン株式会社|働きがいのある会社(Great Place to Work® Institute Japan))
企業②:成城石井「ファーマーズマーケット」
成城石井の一部の青果取り扱い店舗では、こだわりのある野菜を生産されている農家の皆様の野菜や果物を、産地直送、そして顔の見える方法で販売しています。
ある農場で深刻な人手不足が起きたときは、農場の手伝いを行うなど、直接農家と関わって仕入れ、販売を行っています。
このように農家の方と関わることによって、農薬を使用しない野菜作りへのこだわりや、おいしい野菜を作りたい、旬をお客様へ届けたいという想いを社員が深く知る取り組みを行っています。
(参考:成城石井のCSR | CSRへの取り組み | スーパーマーケット成城石井)
企業③:名古屋銀行「名古屋銀行健康宣言」
名古屋銀行は企業の活力を高め、地域社会の繁栄に奉仕するためには、役職員とその家族の心身の健康が重要であると考え、健康保持・増進に向けた取り組みを積極的に行っていきます。
主な活動としては、からだの健康として、定期健康診断の受診の徹底・特定保健指導実施率の向上・ストレスチェック回答率向上及び保健指導の実施を行い、こころの健康として、メンタル不調者に対するサポート・ラインケア/産業保健スタッフによるケアの充実を行っています。
また職場環境の改善として受動喫煙対策の徹底や労働時間適正化に向けた取り組みも始まっています。
(参考:ワークライフバランスへの取組み|名古屋銀行について|名古屋銀行 )
目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」
企業①:トヨタ自動車
大手自動車メーカーであるトヨタは、自動車の排気ガスが地球温暖化に影響することを受け、先進的に電気自動車の開発を行い特許実施権を取得しました。
環境問題は日本のみならず世界規模で取り組まなければならないため、電動車をより多くの地域で普及するため、車両電動化技術の特許を無償で共有しています。また、自動車の安全性を追求するために使われるバーチャル人体モデルTHUMSのデータも無償で共有し、全世界の誰でもアクセスができるようにしました。
自動車を作るだけでなく、根本的な人の移動を助けるためにヒューマノイドロボットの開発を手がけています。高齢化社会での介護に携わる人の代わりや、災害時の救急隊の代わりなどの場面でロボットが役立つでしょう。そして人は、ロボットの技術向上や、人材育成に集中することができます。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参照:なぜトヨタ自動車はヒューマノイドロボットを開発するのか | コーポレート | グローバルニュースルーム)
(参照:SDGsへの取り組み | サステナビリティ)
企業②:Apple「サーキュラー・エコノミー」
Appleは2030年までに、すべての製品もカーボンニュートラルにすると発表しています。
この2030年という数字はパリ協定で推進されている2050年までの達成目標より20年も早いものです。
このように技術革新の先駆者であるAppleですが、その中でも「サーキュラー・エコノミー」への取り組みも先進的です。
使い終わった製品を回収して、リサイクルする「Trade In」というプログラムが2019年に始まりました。
2020年には、製造工程で使用されるハンダまで、100%再生スズを採用することが決定したと報告されました。
それだけでなく、アルミの精錬では、精錬プロセス時に温室効果ガスではなく、酸素を放出するアルミニウム製造手法の開発も支援しています。
(参考:アップル 2030年のカーボンニュートラルを宣言 自然回復プログラム始まる – Up Cycle Circular’s diary )
企業③:エプソン「スマートサイクル」
エプソンは経営理念に掲げる、社会にとって「なくてはならない会社」となることを目指しており、これはSDGsの目的である持続可能な社会の実現と一致していると考えています。
そこで、この実現に向けて2017年に社会課題を解決していくための重要度の高い取り組みを「CSR重要テーマ」として特定しました。
その中でもこの「スマートサイクル」はドライファイバーテクノロジーによりごみとして処理していたものに価値を与え環境の負荷を減らすものづくりを実現するものです。
印刷され使用済みになった紙を原材料まで戻すことで再生利用するのがこの取り組みです。
この実現のために、「ドライファイバーテクノロジー」を開発し使用済みの紙から、プリンターの部品であるインク吸収材を社内で生産しました。
現在ではその技術を活用して、コンパクトなシステムに作り上げ、世界初の乾式オフィス製紙機 PaperLab A-8000を発売し、紙のオフィス内資源循環に取り組んでいます。
(参考:SDGsとの関連|エプソンのCSRとSDGs|CSR・環境|エプソン)
(参考:スマートサイクル|エプソン)
目標10「人や国の不平等をなくそう」
企業①:JALグループ「「D&I推進」」
JALグループは、「D&I推進」という取り組みをしています。
例えば、LGBTQへの理解を促進するために異性と法律上の結婚をしている社員(およびその配偶者と家族)に適用する制度を、会社の定める同性パートナー登録を行った社員(およびそのパートナーと家族)にも同様に適用する制度を導入しています。
また、女性リーダーの育成と輩出にも力を入れています。
JALグループは「2023年度末までに管理職女性比率20%、2030年度末までに30%以上を達成する」という数値目標を掲げていますが、2020年3月末現在の女性管理職比率は18.4%と着実に増加しています。
企業②:イオン
イオングループでは、トップバリュで商品を開発しているほか、グループ各社でもフェアトレードの商品を取り扱いしています。
また、2014年には、国際フェアトレードラベル機構の「国際フェアトレード調達プログラム」にアジア唯一の企業として参加し、2020年までに国際フェアトレード認証カカオの取引量を2012年比の10倍に拡大することを目指して活動しています。
トップバリュの製品などには、FLOが発行する国際フェアトレード認証ラベルを付け、第三者の認証を取得していることを表しています。
FLOの仕組みでは、商品に対する適正価格の支払いに加え、生産者の村やコミュニティ全体の生活向上に役立ててもらえる資金としての「プレミアム」金額が支払いに上乗せされています。「プレミアム」は、生産者組合により民主的に用途が決められ、井戸の設置や学校施設の整備など、地域全体の支援につながっています。
(参考:フェアトレード | 社会の取り組み | イオンのサステナビリティ | イオン株式会社 )
企業③:リクルートホールディングス「リボンモデル」
リクルートホールディングスは、SDGs目標達成に向けた取り組みを各グループ企業で積極的に行っています。
2018年度には、カナダ・トロントにおいて企業のSDGs貢献を促すことを目的として開催された「The Global SDG Awards」で受賞されるという功績も挙げました。
リクルートホールディングスでは、就職や進学といった人材事業のみならず、住宅、美容サロン、飲食といった企業クライアントをマッチングさせるサービスを広く展開しています。業種業界は違えど、各部門の根幹には「情報の非対称性をなくし選択肢を広げる」という目標があり、それを図式化したものが「リボンモデル」と呼ばれています。
このリボンモデルの考え方が、SDGの目標10の「人や国の不平等をなくす」ことと合致しているため、SDGsへの貢献へ向けた中心に目標10を置きました。
そして、SDGsの目標10が起点となり、グループ企業のサービスがドミノのような連鎖反応を起こすことを意図して作られたビジネスモデルが、「リボンモデルが生むSDGsドミノ」です。
(参考:サステナビリティ | Recruit – リクルートグループ)
(参考:【企業のSDGs事例】目標10から連鎖する『SDGsドミノ』|リクルートホールディングス)
目標11「住み続けられるまちづくりを」
企業①:NTT西日本(西日本電信電話株式会社)
NTT西日本では、災害時に使えるインフラづくりを進めています。
災害時の停電は、私たちの生活だけでなく、大切な誰かと連絡を取る手段も奪います。NTT西日本では、災害発生時に被災地への通信が繋がりにくい場合に「災害用伝言ダイヤル(171)」と「災害用伝言板(web171)」を提供しています。また、日頃から災害発生を想定した訓練や、災害に強い通信インフラ設備の構築に取り組むなど、災害の多い日本でも安心して生活できるような取り組みを進めています。
(参考:NTT西日本の災害の備え・対策サイト|NTT西日本)
(参考:自然災害対策×ICT|NTT西日本)
企業②:YAHOO!JAPN
ヤフー株式会社は災害対策支援と社会課題の解決を目標に掲げています。
万が一災害等が起こった時は多くの人々が現在スマホを持ち、インターネットにアクセス出来る状況にあります。
インターネット回線も過去の災害教訓から災害時でも出来るだけ不通にならないよう対策をし、電源を含めた改良が行い、万が一の時に発せられる災害速報、災害が起こった後の災害情報を常に届ける事で災害支援を行っています。
また地震速報は、警報が鳴る事で警戒出来る事で被災者の怪我を防いだり事前に避難する行動の助けとなっています。
地震速報だけでなく、昨今、環境変動によって急激な雨や風が社会的にも問題と警戒対象となっており、Yahoo!警報などの避難指示を送信するサービスも目標11に向けた取り組みの1つになっています。
(参考:基本方針 – Zホールディングス株式会社)
(参考:SDGs取り組み事例【3/20Yahoo!JAPAN】)
企業③:日立製作所
日立製作所では、デジタルイノベーションを加速するLumadaにより、時間、エネルギー、コストを削減するオープンイノベーションを推進しています。
ビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどにかかわる技術開発を推進し、Fintechをはじめとする金融イノベーションに積極的に取り組んでいます。
顧客のみならず、その先の利用者にとっても、より効率的で、コンパクトかつ安全な金融ネットワークを創出することを目標としています。
(参考:事業戦略で貢献する目標: サステナビリティ: 日立 )
目標12「つくる責任 つかう責任」
企業①:サントリー
「水と生きる」をビジョンの一つに掲げる飲料品メーカーのサントリーは、ペットボトルからペットボトルを再度作り出す取り組みを日本で初めて確立させました。そして2030年には全てのペットボトル製品をリサイクル素材や植物由来素材のみで作り上げることを目指しています。
(参考:【SDGsとは?】目標12「つくる責任 つかう責任」と私たちにできることを、グラレコっぽく解説!|水と生きる@リアル|サントリー)
企業②:メルカリ「Stay Home & Share Smilesプロジェクト」
Stay Home & Share Smilesプロジェクトは、ユーザーが自宅にある不要になったものを出品すると、出品1個につき10円をメルカリが寄付するプロジェクトです。
「おうち時間を少しでも笑顔で過ごすことができるもの」をテーマに、【おもちゃ・ホビー・グッズ】、【本・音楽・ゲーム】、【インテリア・住まい・小物】、【家電・スマホ・カメラ】の4つのカテゴリーに含まれるもののみを対象としていました。
寄付先については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で困難な状況に陥っている人の生活面のサポートや、子供たちの心と体の健康を維持するためのサポート、医療機関や医療従事者へのサポートなど、迅速な支援を要する社会課題で、かつ行政や民間の支援が十分に行き届いていない分野に取り組む活動への寄付を検討しています。
(参考:メルカリ、新型コロナ寄付プロジェクトを開始 出品1個につき10円を寄付 | AMP[アンプ] – ビジネスインスピレーションメディア)
企業③:株式会社エアークローゼット「シェアクローゼット(shareCloset)」
シェアクローゼットは、対象ブランドの着なくなった服を店頭で回収し、状態に応じてシェアリングかリサイクルのいずれかの方法で一般消費者に届けるプロジェクトです。
エアークローゼットは回収された洋服の検品と再生を担当し、リサイクルする服は日本環境設計の「ブリング(BRING)」により再生資源として別の用途で利用できるようにしています。
アパレル業界では製品の大量廃棄が全世界で問題視されており、日本国内でも年間で30億着以上に相当する100億トンの廃棄量があることが分かっています。
シェアクローゼットを通じて課題解決をはかっていきます。
(参考:エアークローゼット、アパレル廃棄問題解決を目指す新プロジェクト「シェアクローゼット」始動 )
目標13「気候変動に具体的な対策を」
企業①:オリックスグループ
オリックスでは、TCFD提言への対応は、中長期的な企業価値の向上に資するものであり、取り組みを進めることは、サステナビリティ推進基盤の確立にも有効であると考えています。
TCFDとは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略、気候関連財務情報開示タスクフォースのことを指します。これは各国の金融関連省庁および中央銀行からなり、国際金融に関する監督業務を行う機関です。
オリックスは、気候変動が当社のグローバルな事業展開において重要なリスクであり、また同時に機会でもあると捉えています。
そのため、気候変動がもたらすリスクおよび機会の財務的な影響の把握と情報開示の拡充に取り組んでいくとともに、事業を通じた気候変動対応への貢献にも積極的に取り組んでいます。
(参考:気候変動への対応とTCFDへの賛同│オリックス株式会社 )
企業②:ダイキン工業
空調機器には、室内機と室外機の間で熱を運ぶための「冷媒」が使われています。
現在多くの先進国の主力の冷媒である「HFC」は、オゾン層破壊係数はゼロですが、大気に排出されると地球温暖化に影響します。
ダイキンでは、現行冷媒に比べて地球温暖化への影響が小さい「次世代冷媒」を用いた空調機の実用化を加速しています。
冷媒選択にあたっては、冷媒の直接的な温暖化影響だけでなく、その冷媒を用いた空調機の使用時のエネルギー効率などライフサイクル全体での影響を考慮するという取り組みをしています。
(参考:冷媒の環境負荷低減 | 気候変動への対応 | ダイキン工業株式会社)
企業③:日本航空「CONTRAILプロジェクト」
CONTRAILプロジェクトは、航空機を利用して、従来の地上観測を中心とした手法ではとらえられない温室効果ガスの広範囲にわたる3次元分布とその変動を観測するプロジェクトです。
そしてその観測により、地球規模での炭素循環のメカニズムを解明することを目的としています。
炭素循環の解明は、地球温暖化の将来予測をより高精度にするとともに、より具体的な温室効果ガスの排出削減目標を策定するために不可欠です。
また今後は、パリ協定で定められた各国の温室効果ガス排出削減目標を客観的な観測データから検証することも期待されています。
(参考:航空機による大気観測 – CONTRAILプロジェクト|サステナビリティ|JAL企業サイト)
目標14「海の豊かさを守ろう」
企業①:商船三井
商船三井では、安全運航の徹底により海難事故による海洋汚染防止を掲げています。事業活動の場であり世界万人の共有財産である海洋の環境保全への取り組みを積極的に推進するとしており、「自動車船内固縛用ラッシングベルトのリサイクル」「海洋環境保全への取り組み」「シップリサイクル問題」「海洋プラスチック汚染への取り組み」という大きな4つの柱を軸に活動しています。
特に船舶事故を未然に防ぐため衝突安全性に優れた「NSafe®-HULL」を世界初採用したことは大きな反響を呼びました。
「NSafe®-Hull」は、高い延び性を有し、船舶の側面からの衝撃に対して衝撃吸収エネルギーが約3倍になることから、従来の鋼材に比べて船体に亀裂が生じにくく、船舶の安全性を高めると言われています。これにより座礁しても大破しにくくなっています。
また国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が行う海洋プラスチック汚染に関わる科学的調査にも協力しており、企業を挙げて様々な海洋問題の解決に尽力しています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:海洋環境保全 | 商船三井 )
企業②:SUSTAINABLE JAPAN「海洋浮遊ゴミ回収機SEABIN」
株式会社SUSTAINABLE JAPANでは海洋ゴミ回収機SEABINの販売・リースを行なっています。
そして、企業の要の事業ともいえる「SEABIN」は漁港、マリーナ、ヨットクラブ、溜池、湖および穏やかな環境で利用可能な水中に設置するよう設計された「ゴミ箱」です。
SEABINは、装置に水を送り込むことによりゴミ箱として機能し浮遊するゴミ、マイクロプラスチックまでも回収可能です。
ゴミのスキマーとして機能することで、汚染された有機物から水をきれいにすることもできます。また世界中のほとんどのマリーナで使用されている石油ベースの表面油などを吸収できる油吸収パッドが装備されています。
(参考:Seabin(シービン) | 株式会社SUSTAINABLE JAPAN | 環境保全に関わる機器の販売)
企業③:ミス日本協会
ミス日本協会ではさまざまな賞を設定しています。
その中に、「ミス日本 海の日」という賞があります。
ミス日本「海の日」は、島国日本になくてはならない海の恵みに感謝し、海洋業界の理解と関心を高める役割を担い、海洋イベントや安全啓発活動のシンボルとして活動します。
ボートの免許を取得して大海原を快走したり、ライフジャケットを着用して安全を呼びかけたり、海賊から船を守る隊員たちを激励したりなどと、海の安全と楽しさを広めるのが役割です。
(参考:ミス日本の称号 | ミス日本公式サイト)
目標15「陸の豊かさも守ろう」
企業①:株式会社ファンケル「HAPPYエコ お客さまとともに未来をつくる」
ファンケルでは、パリ協定に基づき、2030年度までに、CO2排出量を26%削減し、環境の「製品対策」と「啓発活動」を強化し、ブランド価値向上と売上拡大を目指しています。
そのために顧客への情報発信強化しています。
お客さまとともに、楽しくワクワクしながらエコの輪を広げたいという想いを込めた「HAPPYエコ お客さまとともに未来をつくる」という環境活動のテーマや「FANCL エコマーク」を制定し、顧客とともに活動します。そして環境キャンペーンの実施など通じて、顧客に環境活動を積極的に発信しています。
(参考:ファンケルグループ「サステナブル宣言」|CSR・環境・社会貢献|FANCL ファンケル)
企業②:UCC上島珈琲「ベレテ・ゲラ・フォレスト森林保全プロジェクト」
UCCはベレテ・ゲラ・フォレスト森林保全プロジェクトがスタートした2014年からベレテ・ゲラフォレストコーヒーの品質向上のため技術指導に関わってきました。
現在特に力をいれているのが、生産管理方法や物流体制のレベルアップです。
そのために森林公社では初めてコーヒー専任担当が選出され、日々熱心に取り組まれています。
また、このプロジェクトは、元々の目的である「森林保全」にも非常に効果が高いと認められました。そのため、現在では地域を拡大し、ワラガ、イルバボールでも活動が始まっています。
(参考:エチオピア | 生産国と共に | UCCのサステナビリティ | コーヒーはUCC上島珈琲)
企業③:住友林業「街を森にかえる環境木化都市の実現へ木造超高層建築の開発構想W350計画」
「街を森にかえる」をテーマに住友林業では「環境木化都市の実現へ木造超高層建築の開発構想W350計画」というプロジェクトを行っています。
超高層建築物の木造化の技術開発を通じて、資源・材料・建築各分野での研究・技術開発を加速します。
それによって建物が植物、生物にとって快適な環境をつくりだし、そこに住む人、都市に暮らす人にとって快適な空間となり、また生き物の棲家となる森のような建築物を作ることを目指しています。
木造建築物が街中に増え、地上の緑が建物、そして都市につながり、森となっていく街づくり構想です。そしてその緑あふれる建物は、野鳥や昆虫など生き物の生活圏を繋ぐネットワークを形成し都市の生物多様性に貢献していきます。
(参考:ニュースリリース | 住友林業)
(参考:挑戦と実現 | 木化事業 | 住友林業 (sfc.jp))
目標16「平和と公正を全ての人に」
企業①:日本航空(JALグループ)「JALグループ人権方針」
JALグループは、あらゆる人々に対する人権尊重の責任を果たすため、「JALグループ人権方針」を制定しています。
平和で公正な社会をつくっていくためには国連や各国の政府に頼るだけでなく、一企業として人権を尊重していく考え方が重要です。
JALグループは、国際人権章典や国際労働機関の「労働における基本的減速および権利に関する宣言」、国連の「グローバル・コンパクト10原則」など、国際的に承認された人権絵hの支持を「JAPグループ人権方針」で公表しています。
またJALグループは、重大な人権侵害の1つの人身取引を課題しし、航空機を用いた人身取引を防止するために、人身取引が疑われる場合は関係当局に通報する業務手段を整えるなど、自社の事業が人権侵害を助長することがないようにガバナンスを整えていることも特徴です。
その他、苦情窓口の設置や外国籍労働者が活躍できる環境の整備、英国現代奴隷法への対応など、 SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」に対して明確な方針を表明しています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
企業②:オムロン
オムロンでは 誠実で公正な事業活動をモットーに置いています。
オムロングループは、顧客満足の最大化のため、製品・サービスの品質向上に努めています。
中でも製品・サービスおよび顧客の安全は、事業活動を進める上での重要課題と認識していて、安全に機能し、安心して使用できる製品・サービスの提供に取り組んでいます。
また、顧客に対する説明責任の遂行や製品・サービスの不具合への誠実な対応にも定評があります。
またオムロングループは、営業秘密、知的財産、個人情報等が、組織または個人の財産もしくは権利利益であることを認識することを徹底しています。
そのため、所有する情報・知的財産を適正に管理・活用するとともに、情報システムのセキュリティについて適切な対策を講じています。
(参考:目標を定めて取り組む環境課題 | 環境マネジメント | サステナビリティ | オムロン)
企業③:マーケットエンタープライズ
マーケットエンタープライズは,東京都中央区に本社を持つリユース・レンタルサービスを行う企業で捜査機関と連携した取り組みを行っています。
マーケットエンタープライズは違法取引の摘発に協力しています。
盗品等の犯罪絡みの物品は中古品取引市場に出回りやすく、それを見定めているのです。
マーケットエンタープライズのようにネットでの売買に精通した会社が見張ることで中古品市場の公正を守る活動を行っています。
(参考:SDGs目標16【平和と公正をすべての人に】企業の取り組み事例で実践的に理解! | KOBOLOG )
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
企業①:博報堂DYグループ×JANIC「ひとこと多い張り紙」
「ひとこと多い張り紙」とは、生活の中でよく見かける張り紙に使われている言葉を用いることで、SDGsの17目標とその課題を身近に感じていただくことを目的に、JANIC(特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター)と博報堂が共同開発したSDGs理解促進ツールです。
「注意!」「~お願い~」など、その生活シーンにおいて大切なことが張り紙に書いてあるのはよく見かけますが、「ひとこと多い張り紙」では、普遍的で誰もがすぐに理解できる言葉を使い、SDGsが示すゴールに取り組むことの大切さに気付いていただけるようなひとことを入れていることが特徴です。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
企業②:SoftBank×東京大学「魔法のプロジェクト」
SoftBankと東京大学先端科学技術研究センターは共に、障がいのある子どものための携帯情報端末の活用事例研究を行っています。
このプロジェクトは、「魔法のプロジェクト」と名付けられ、携帯情報端末を実際に教育現場で活用し、その有効性を検証し、より具体的な活用事例を公開していくことで、学ぶ上での困りを持つ子どもの学習や社会参加の機会を増やすことを目指しています。
タブレットや「Pepper」などを無料で貸し出しする活動も行っており、教育機関などと協力し研究を進めています。
こちらの取り組みは基礎知識の項目でも紹介しているのであわせてご覧ください。
(参考:障がい児の学習・生活支援を行う「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」の協力団体を選考~地方自治体を含む69団体に合計192台のタブレットやPepperなどを貸し出し~ | プレスリリース | ニュース | 企業・IR | ソフトバンク )
(参考:魔法のプロジェクト)
企業③:株式会社Kaien
株式会社Kaienでは就業支援や学習支援の現場では、常にご家族、医療機関、教育機関、行政、福祉、一般企業との連携によりサービスの改善を図っており、セミナーや合同イベントなども頻繁に企画しています。
そして、パートナーシップ制度を設け、全国の企業・団体がKaienのノウハウを活用し、ひとりでも多くの発達障害者が有意義な人生を送る一助となるよう、サービスを展開しています。
その他の企業の取り組み
SDGs CONNECTでは、独自に企業のSDGsの取り組みを調べ事例集として掲載しています。
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まとめ
今回はSDGsの各目標ごとに取り組んでいる企業を3つずつ紹介しました。
日本のSDGsへの取り組みはまだ足りないところも多くありますが、こうして課題の解決のために注力する企業も増えてきています。
就職活動を行っている学生へのアンケートでは、「就職先企業を選ぶ上で重視した点」で「SDGsへの取り組み」を挙げた学生が6.4%だったというデータもあります。
SDGsへの取り組みがその企業をはかる物差しになっていく日も遠くないのかもしれません。
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
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