【更新日:2021年5月13日 by 佐野 太一】
環境省は5月11日、2020年度版「廃プラスチック類の処理等に関するアンケート調査」の結果を公表した。
2017年末以降の中国政府による廃プラスチックの輸入禁止措置や、新型コロナウイルス感染症の流行による事業活動の停滞などが、国内の廃プラスチック類処理に影響を及ぼしている。環境省はその実態を把握するため、都道府県と廃棄物処分業者に対してアンケート調査を実施してきた。
◎輸入禁止措置以前と比べた中間処理施設による廃プラスチック類の処理状況
今回は、新型コロナウイルス感染症の影響が最も大きい時期(「2020年5月頃」との回答が多かった)と2020年11月時点の状況について調査。産業廃棄物を中心とする廃プラスチック類の中間処理施設ごとの処理量は、輸入禁止措置以前と比べ、 新型コロナウイルス感染症の影響が最も大きい時期では「増加した」が16.1%、「変化なし」が12.7%、「減少した」が71.2%だった。
中間処理施設の稼働率・保管率も、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって輸入禁止措置以前の水準より大きく低下したことが分かった。しかし、処理量・稼働率・保管率はともに2020年11月には再び上昇し、以前の水準まで戻りつつあることが確認されている。
過去の調査(2018年から4回にわたり実施)では、廃プラスチックの処理量・保管量ともに前回調査時より「増加した」との回答が優勢だった。一度水準の低下が確認されたものの、引き続き状況を注視する必要がある。
また、今回の調査では、一部地域において廃プラスチックの不法投棄や保管上限超過をはじめとした基準違反が確認された。処分施設の処理量、稼働率、保管率の変化次第では、今後も廃プラスチック類の適正処理に支障が生じたり、不適正処理が発生する可能性は否定できないという。
環境省は、プラスチック資源の循環を推進するために以下の取り組みを行っている。
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SDGsではゴール12「つくる責任 つかう責任」として天然資源の持続可能な管理および効率的な利用が掲げられている。私たちの暮らしに身近なプラスチックは、リサイクルが容易な天然資源の1つ。環境に配慮した包装がされている商品など、身の回りでできることにも目を向けたい。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。