【更新日:2021年7月16日 by 佐野 太一】
提供 :【ゲッティイメージズ】LGBTQ+ガイドブック
Getty Images(ゲッティイメージズ)は7月、LGBTQ+のポジティブな描写を推進する活動を行うアメリカのGLAADとともに『LGBTQ+ガイドブック』を発表した。
フォトグラファーやビデオグラファー、企業のマーケティング担当者がステレオタイプから脱却し、正しい知識と理解のもとでLGBTQ+コミュニティを適切に表現することを目的として作成。
LGBTQ+に関する用語の解説のほか、検索データの分析や世界規模の消費者調査で「今、求められているビジュアルコンテンツ」を明らかにしたガイドライン「Visual GPS」のデータをもとに、写真や映像を選択する際の指針をまとめている。
◎『LGBTQ+ガイドブック』の目次
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◎『LGBTQ+ガイドブック』ビジュアルを選ぶ際のチェック項目(一部抜粋)
☑実際のLGBTQ+の人々でコミュニティを表現していますか? ☑性別の二元的な定義にとらわれない、多様なジェンダー表現を尊重していますか? ☑恋愛的な側面だけでなく、日常生活におけるありのままの姿を表現していますか? ☑LGBTQ+コミュニティに限らず、多様なアイデンティティを持つ人たちと共に描かれていますか? ☑トランスジェンダーであるという事実以外の側面に目を向けていますか? |
近年、LGBTQ+コミュニティを支援する国や地域、企業やブランドが増えつつある一方、LGBTQ+の人々が広告やメディアで取り上げられる機会は依然として少ないままだ。
ゲッティイメージズによると、2020 年にダウンロードされたビジュアルのうち、LGBTQ+のアイデンティティを持つ人々が表現されたものは全体の1%未満、日本国内ではわずか0.5%(上位100万ダウンロードのうち)だった。
また、「LGBTQ+の人々が表現されている広告やビジュアルを定期的に目にする」人は、世界全体で21%、日本では3%に留まっており、さらにその多くが「ステレオタイプな表現である」としている。
Visual GPSの調査によると、特に日本においては企業広告に対して、消費者の 75%が「リアルなライフスタイルや文化が表現されたものを見たい」「形骸化したものは見たくない」と回答し、さまざまな人種や背景、外見の人が広告に登場するだけでは不十分だと感じている。インクルーシブかつ、リアリティのあるストーリーを表現した写真や映像が求められているということだ。
SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」では、LGBTQ+に関する言及はなされていないものの、「誰一人取り残さない」ためにあらゆる場面における性差別を撤廃する必要があることは明白だ。自宅や街中で見かける企業広告にもさらに多様性を認める動きが増えてくることに期待したい。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。