【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ】
SDGsと聞くと「難しい」「親近感が湧かない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
SDGsをより身近に感じてもらうために、楽しく簡単にSDGsについて学び、実践できるゲームがあります。
今回は、数あるゲームの中でも「携帯アプリ」「カードゲーム」「すごろく」の3種類のおすすめ8選を紹介していきます。
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SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
▼各目標の詳細は以下の画像をクリック
▼SDGsについて詳しくはこちら
気軽に始められる SDGsを学べるアプリ 2選
「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」
「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」は、金沢工業大学の学生プロジェクト「SDGs Global Youth Innovators」が株式会社リバースプロジェクトと共同で開発した、SDGsの達成に向けたアイデア創出カードゲームが元になっています。
Androidアプリが2020年1月20日よりGooglePlayでリリースされ、誰でも無料で利用できます。
このゲームは解決策を提案する「リソースカード」を使い、「トレードオフカード」が提示する問題を解決していくゲームです。
「トレードオフカード」とは SDGsの17個の各ゴールにおけるトレードオフの問題がイラストで描かれているものです。
トレードオフとは、一方を達成しようとすると,他方の目標達成を犠牲にしなければならないというジレンマの関係を指し、例えば、AIの導入で生産性が上がると同時に失業につながるといった状況などを指します。
「リソースカード」は問題解決のために活用できる技術や製品、サービスなどのリソースが描かれています。
遊び方は「ビギナー版」と「アドバンス版」」の2種類が用意されており、初心者からより詳しく学びたい人まで幅広い層が楽しめます。
▼インストールはこちらから(Androidのみ)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.SDGs.CardGameX |
(参考:カードゲームでSDGsの「トレードオフ」を体験 – オルタナ (alterna.co.jp)
「ピリカ」
「ピリカ」は、「ごみ拾いをした写真を共有し、『ありがとう』ボタンを押してもらう」というSNSで、楽しくごみ拾いをすることができるアプリです。
ごみ問題はSDGsの中でも目標11「住み続けられるまちづくりを」や目標12「つくる責任つかう責任」に関係しており、私たちが目標達成のために取り組みやすい課題の1つでもあります。
そのごみ問題に気軽に取り組めるのがこのアプリです。
どこで拾ったごみなのか、何のために自分がごみ拾いをしているのか、といったことを発信することができ、毎日の日課としてごみ拾いを続けやすくなるアプリです。
(参考:ごみ拾いSNS ピリカ|いつでもどこでも気軽にボランティア (pirika.org))
楽しく学べる SDGsカードゲーム 4選
「2030SDGs」
「2030 SDGs」はSDGsの17の目標を達成するために、2030年までの道のりを体験するゲームです。
2016年に一般社団法人イマココラボと株式会社プロジェクトデザインによって作成されました。
このゲームは国内のみならず海外にも広まっている、SDGsを体験的に理解する代表的なゲームで、用いるカードに表現されている内容は、主に世界を題材にしています。
また、ゲームで用いるカードの1つひとつの抽象度を高めに作成されています。
ルールとしては、「与えられたお金と時間を使って、プロジェクト活動を行うことで、最終的にゴールを達成する」というシンプルなものです。
ゴールとしては「大いなる富」というお金が一番大事という価値観を持った人や、「悠々自適」という時間がゆったりたっぷりあるのが幸せだという人、貧困をこの世からなくしたいという人や環境を守りたいという人などの複数の目標がが設定されており、さまざまに異なる価値観を持った人たちが存在します。
プロジェクトは「交通インフラの整備」など、世界で起きている課題を解決するための取り組みを行うことです。
このプロジェクトを実行するために、「使うモノ」としてお金と時間が必要で、それらを使うことでプロジェクト活動を行います。
「もらえるモノ」としてそのプロジェクトの成果報酬としてふさわしいだけのお金と時間がもらえます。それと同時に次のプロジェクトカードと意思カードがもらえます。
ここでいう意思とは、やりがいや情熱など無形のものを表します。
プロジェクトを実行し、世界の状況を変化させていき、より良い2030年の世界を目指すゲームです。
ビジネス研修への使用としても有効で、環境省、ユニリーバ、日立製作所、味の素などで導入されています。
(参考:カードゲーム「2030 SDGs」の紹介 | 一般社団法人イマココラボ (imacocollabo.or.jp))
(参考:カードゲーム「SDGs de 地方創生」 | SDGs de 地方創生 (sdgslocal.jp))
「SDGs de 地方創生」
「SDGs de 地方創生」とは、SDGsの考え方を地域の活性化に活かし、地方創生を実現する方法について参加者全員で対話し、考えるためのゲームです。
SDGs de 地方創生ゲームの参加者は6~16名で各地域で活躍するプレイヤーにわかれて役割を演じます。
行政担当として4つの役割があり、町で活動する市民として12の役割があります。
行政担当者には毎ターン予算が配られ、町を良くすることをゴールとして提示されます。町で活動する市民には、一次産業従事者や、町工場の経営者、一市民などさまざまな役が与えられます。使える予算は限られていますが、代わりに普段の活動を通じて得られる人脈があります。
またSDGs de 地方創生ゲームでは町の状態は「人口」「経済」「環境」「暮らし」という4つの指標で表されます。
何も具体的な対策をしないでいると人口は徐々に減少をはじめたり、暮らしやすい町でなければさまざまな施策をしても十分な効果を発揮しないなど、それぞれの項目に条件がついています。
そのため、施策を実践して状態を良くしていかなくてはいけないのですが、具体的にそれらの施策を実践したときにどのような効果が生じるのか、プレイヤーには明かされていません。
自分の行動が町に与える影響を考えながらプレイしていく必要があるゲームです。
このゲームは「2030SDGs」を制作した株式会社プロジェクトデザインと特定非営利活動法人イシュープラスデザインが共同で運営しています。
「2030SDGs」がきっかけになって作られたゲームなので、似たところもあり、混同されることも多いのでここでは違いをご紹介します。
上記の通り、2030SDGsは比較的抽象的であり、世界目線で見たSDGsについて学ぶことができますが、SDGs de 地方創生では、より具体的な内容が日本目線でまとめられています。
SDGs de 地方創生では日本国内の地方自治体のアクションを元にした具体的な内容のモデルがカードにまとめられており、自分の住んでいる地域のSDGsの取り組みについて学び、身近なところからSDGsを実践するには最適のカードゲームと言えます。
このカードゲームの体験会は随時開催されているので、ぜひ参加してみてください。
▼スケジュールはこちらから |
(参考:カードゲーム「SDGs de 地方創生」 | SDGs de 地方創生 (sdgslocal.jp)
「SDGsババ抜き」
「SDGsババ抜き」は、お笑い芸人の「たかまつなな」さんが創業した笑下村塾から発売されているもので、SDGsの17の目標を、さまざまなアクションを交えながら楽しく学べるカードゲームです。
基本のルールはババ抜きと同じなため初心者でもプレイしやすく、プレイ人数も2~6人とシチュエーションにあわせて遊ぶことができます。
指示に従いながら各ゴールごとの課題を知ることができるのはもちろん、身振り手振りを使ったアクションをすることで楽しく、記憶にも残る学びとなります。
笑下村塾さんは以前インタビューさせていただいているので、そちらの記事もあわせてご覧ください。
▼インタビュー記事はこちら▼
▼「SDGsババ抜き」の購入はこちらから↓ |
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」は、より『企業』に焦点をあて、企業が直面している課題をSDGsの視点を活用しながらどう解決していくか、世界が直面している課題に企業がどのように寄与できるかを学ぶことができるカードゲームとして開発されました。
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という3つの目標が達成できるのがこのゲームです。
ルールとしては、場に配布された様々な社会課題のカードを読み解き、解決策を考え、見事、事業を通じた解決ができる場合、事業を立ち上げた証として、「新事業」カードがもらえます。
そして得た新事業をどのように広めていくと効果的か考え、新事業カードとプロモーションカードをセットにして提出します。その事業が産み出した価値や広まり具合によって対価が得られます。
このカードゲームの大切なポイントは、プレイして終わりではなく、プレイ中に得た「気づき」を言語化し共有することまでをワンセットとしているところです。
ゲームを通して学び、振り返りの時間でその学びを共有することができます。
▼体験会に参加したい方はこちらから |
(参考:カードゲーム紹介 | SDGsアウトサイドインカードゲーム (outside-in.jp))
みんなでできる SDGsすごろく 2選
「ゴー・ゴールズ」
「ゴー・ゴールズ」は、ブリュッセルの国連地域広報センター(UNRIC)が作成したGo Goalsを国連広報センターが日本語化したものです。
遊戯盤にはSDGsの17の目標が書かれており、サイコロを振ってそのマス目に止まると、クイズが書かれたカードが引けます。
そのクイズに正解すると、もう一度サイコロを振れ、2030と書かれたゴールに一番早く到達した人が勝ちです。
クイズは各ゴールに沿った質問で選択肢から答えを選ぶようになっています。
対象年齢は8~10歳ですが、子どもと一緒に親子で楽しめるゲームになっています。
▼ダウンロードはこちらのサイトから |
(参考:SDGsのカードゲームを紹介!|すぐに取り入れられるゲームの紹介も (ethicame.com))
(参考:すごろくでSDGsを学ぼう | 国連広報センター (unic.or.jp))
「オリジナルすごろく」
SDGs未来都市にも選定されている長野県の茅野市立永明中学校の先生方が提供するこのすごろくは、ゴー・ゴールズをさらに発展させた内容で、子供から大人まで取り組めます。
始める前に「難民」「企業」「地方創生」などのテーマを設定し、その達成に向けた具体的なビジョンを話し合います。
そして、目標のマス目に記入する大きなテーマが決定した後は、17の目標のマスに関連する内容を書いていきます。
取扱説明書に掲載されている例で見ると、目標9のマスには「エコカーが支給された。サイコロをふって出た数を進む」目標11のマスには「CO2を排出しない工場が作られ、 空調問題が解決される。うれしい気持ちを表現しよう」といった内容などがあります。
このようにオリジナルですごろくを制作することができ、作る過程でもSDGsを深く学び、プレイ中も新たな気付きを得ることができます。
▼ダウンロードは以下のサイトから |
(参考:SDGsのカードゲームを紹介!|すぐに取り入れられるゲームの紹介も (ethicame.com))
(参考:自分たちで作る、楽しめるオリジナルのSDGsすごろくゲームを作ってみよう! NAGANO SDGs PROJECT)
まとめ
今回は、「携帯アプリ」「カードゲーム」「すごろく」の3種類で、特におすすめの8選を紹介しました。
SDGsを詳しく学びたいけど難しそうでなかなか手が出せないという人は、まずこのようなゲームから徐々に学んでいくと良いと思います。
ゲームによって企業向けや子ども向け、などが決まっているので自分にあったゲームを探してみてください。
▼SDGsについて詳しくはこちら