【更新日:2021年9月15日 by 三浦莉奈】
1968年に、名古屋で初めてコメダ珈琲店が開店されました。喫茶店チェーンのコメダ珈琲店は今や881店舗まで規模を広げています(※2020年8月時点)。
株式会社コメダホールディングス(以下、コメダ)は2018年に誕生50年を迎え、そのタイミングで、サスティナブル推進活動の“心にもっとくつろぎを”プロジェクトをスタートさせました。
コメダは、早い段階からサスティナブルを視野にいれ、SDGsを意識した店舗も出店しており、モデルケースとして参考にしておくとよいでしょう。
このページでは、コメダの事業内容からSDGs活動まで幅広く紹介していきます。
▼SDGs CONNECTではコメダホールディングスのインタビュー記事も掲載中!
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コメダのビジョン / 事業
コメダの概要
コメダは喫茶店チェーンのコメダ珈琲店(881店)、甘味喫茶おかげ庵(11店舗)などを運営し飲食分野で事業を展開しています。(※2020年8月末時点)。
直営店舗は23店舗のみで、フランチャイズ会社に委託する形態で行っています。愛知県を中心にじわじわと関東進出をしてきたこともあり、地域密着型で店舗展開をしてきたことも特徴のひとつです。
2019年には青森県1号店をオープンし、全都道府県への出店を達成しました。
コメダ珈琲店の特徴は、店内が木とレンガであるということであるということ。休日は家族連れも多く、”地域密着型”、”くつろぎの場の提供”を大切にしている企業だからこそです。
1977年から続く定番メニューは、「シロノワール」で、おいしさへのこだわりが強いコメダは、外食産業記者会主催「外食アワード2016」を受賞したことがあります。おいしさへの秘密は、パンは自社で製造しており、産地を厳選した高品質な小麦粉を使用していることです。そして、シロノワールのデニッシュは高品質のマーガリンを生地に練り込み、職人が丁寧に64層にまで折りたたんで作っています。
コメダの経営理念|「くつろぎ」をお客様へ提供
コメダの経営理念は「私たちは”珈琲を大切にする心から”を通してお客様に”くつろぐ、いちばんいいところ”を提供します」と掲げられています。
コメダは”くつろぐ空間づくり”の徹底を行っており、お客様に対して席への案内、お水・おしぼりの提供、注文など全てを店員が行うフルサービス型の喫茶店のコンセプトを大切にしています。
コメダとSDGs
直接関係するSDGs目標
2008年からサスティナビリティ活動開始
コメダは、創業50年を機に、”心にもっとくつろぎを”プロジェクトを開始させました。「くつろぐ、いちばんいいところ」をめざしてきたコメダは、コメダ式サステナブルとしてSDGs関連の活動を活発化させ公式サイトには特設ページが開設されています。
このプロジェクトでは、Q(もっといいもの)、S(もっといいこと)、C(もっといいところ)をテーマにSDGsの取り組みの対象13項目を設定しています。
また、”心にもっとくつろぎを”プロジェクトの発足と同時に、コメダではSDGsの評価基準と自社の経営理念とQSCの観点を大切にSDGsの取り組みの対象をマトリックスで下記のように作成しました。
コメダのSDGsの取り組み
一部、コメダのSDGsの取り組みを紹介します。
上記のように、コメダは、SDGsへの取り組みを細部まで可視化し常にSDGsを意識した戦略を経営に役立てています。
2020年には、大和証券とコラボして吉祥寺にSDGsと金融の知識を深められる店舗をオープンしました。この店舗では、110年以上の歴史がある大和証券が金融情報とコンテンツを用意し、コメダ珈琲店が提供する、ゆったりとした店舗空間の中でお客様がくつろぎながら金融情報に触れることができるようになっています。店内では、SDGsの本や金融関係の本が無料で見られるようになっていたり、タブレットでSDGsに関するインタビューなども見られるようになっています。
また、コメダは、ハンバーガーもアルコールなどを全て、植物由来(プラントベース)のメニューを扱う「KOMEDA is □」などサスティナブルな新業態も次々にオープンしています。これは、牛や豚から発生する温室効果ガスを抑えることにつながるほか、畜産によって生じる水や土地、森林といった資源の消費も改善できると言われています。
また、コメダはFacebookなどのSNSを活用して、店舗PRやサスティナブル活動などを発信しています。業界に関わらず、SDGsの取り組みを発信することは、社会が一体となってSDGsに取り組むために重要です。
まとめ
飲食店ならではの提供価値を活かし、金融分野とコラボするなど、コメダは「飲食店」の価値を再認識し、SDGs達成のために事業を分配しており、特に飲食業界ではモデルとなるケースでしょう。もし、コメダ珈琲店に訪れる機会があれば、SDGsの取り組みがないか探してみるといいかもしれません。
▼インタビュー記事はこちら