《SDGs事例集》「広く伝える」チカラ|株式会社講談社

#SDGs17番#SDGs4番#包括的#学習#教育 2021.09.30

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コンテンツの力は偉大です。

架空の世界でキャラクターが活躍し、繰り広げられるストーリーは私たちの心を潤し、明日への活力をもたらしてくれます。

講談社では、「週刊少年マガジン」や「ヤングマガジン」などのコミックや、「FRaU」、「ViVi」などの雑誌、絵本では「もったいないばあさん」シリーズなど、たくさんのコンテンツを生み出し、私たちの生活に寄り添っています。

そんな私たちの生活に身近なコンテンツを作る出版社は、SDGsの推進にどのように取り組んでいるのでしょうか。今回は講談社のSDGs取り組みや創業者の理念を紹介します。

株式会社講談社 / 事業

株式会社講談社の概要

株式会社講談社は、1909年(明治42年)に創業した大手総合出版社です。「おもしろくて、ためになる」をモットーに、書籍、雑誌の刊行をはじめとしたさまざまなコンテンツ制作を行なっています。

【出典】会社案内 : 講談社

創業 1909年(明治42年)11月
従業員 941人(2021年4月時点)
売上高 1,450億円(2020年度)

【出典】会社案内 : 講談社

株式会社講談社の事業内容

講談社の新卒採用webページでは、事業内容に関して以下のように表現されています。

コミック、小説、教養、ジャーナリズム、ファッション、絵本、アニメ、ゲーム――。あらゆるジャンルの「ものがたり」を、世界中の才能とともに創り、パブリックにする総合出版事業を展開しています。

このように講談社は多くのジャンルのコンテンツを制作しています。近年ではデジタル化海外事業ドラマ化映画化にも力を入れており、コンテンツの幅をさらに拡大させています。

【引用】講談社「おもしろくて、ためになる」出版を

株式会社講談社の経営理念

講談社は「おもしろくて、ためになる」を創業時からの方針に掲げています。

2021年4月には、その精神を英語で表現した新しい企業理念”Inspire Impossible Stories”と新しいロゴデザインを発表しました。

新しい企業理念では、「講談社は、作り手と読者・ユーザーの両者に新たな発見や創造性を提供し(=Inspire)、あり得ない、見たこともないような(=Impossible)物語(=Stories)を生み出し続ける会社である」という決意が込められています。

【引用:KODANSHA CORPORATE SITE「Inspire Impossible Stories」】

講談社の頭文字である「K」をあしらったロゴは、「さまざまな交差点」を意味しており、全10色で展開されたロゴは文化の多様性も表現しています。

このロゴはNetflixなどのブランディングを務めたことで世界から注目されているグレーテル社によって作成されました。また、ブランドフィルム「Taking Flight」もアルゼンチン在住の映像作家JUAN CABRAL(フアン・カブラル)氏が担当しています。全て英語で書かれた企業webサイトもあり、日本のコンテンツを世界に発信していく強い意気込みを感じます。

【引用:KODANSHA CORPORATE SITE「Inspire Impossible Stories」】

株式会社講談社のSDGs戦略

講談社は2020年1月に「SDGsメディア・コンパクト」に加盟しています。

SDGsメディア・コンパクト
2018年9月に世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促すことを目的として設立された枠組み(参考:SDGメディア・コンパクト

1909年の創業当時、雑誌は高級なもので少数の読者にしか読まれていませんでした。しかし、創業者の野間清治は講談を読み物として出版することで、一般市民の人たちの絶好の教育資料になると考え、講談社初の雑誌である『雄弁』や、大衆文学誌『講談倶楽部』を生み出しました。この野間の「大衆に広く伝える」理念は、SDGsの「誰ひとり取り残さない」ことに通じています。

こうした考えから講談社は、SDGsの情報発信することも事業の延長上にある「使命」であると考えています。

【参考】講談社の取り組み|講談社SDGs by C-station

株式会社講談社のSDGsの取り組み

世界初!全編SDGsの女性誌を発行『FRaU』

講談社の女性向けワンテーママガジン『FRaU』は、2018年の12月でSDGs特集号『FRaU SDGs「世界を帰る、はじめかた。」』を発行しました。全編SDGsを特集した女性誌は世界でも稀で話題になりました。

また、『FRaU』以外にも、20~30代の働く女性が中心読者のWEBサイト『with online』でSDGsを啓発する連載を展開しています。10代後半から20代の女性をターゲットとしたファッション誌『ViVi』でもSDGsを特集し、若い女性がSDGsを身近に感じられるような誌面を展開しました。

SDGsを発信するターゲットは女性に限りません。dマガジンで配信中の電子雑誌『Hot-Dog PRESS』では、40代の男性に向けて「モテるSDGs」をテーマにSDGs情報を発信しています。

SDGsをテーマにした絵本の読み聞かせを通して、世界に教育を届ける

講談社は環境省との共同事業「もったいないばあさんプロジェクト」を行なっています。

2019年3月に講談社が水の循環や命のつながりをテーマに、不法投棄などで汚染が進むガンジス川を著者が実際に取材し創作した『もったいないばあさん かわを ゆく』が出版されました。

この絵本は多言語に翻訳され「SDGs絵本」として世界中で展開されています。2018年からは、講談社が全国47都道府県をキャラバンカーで周り、絵本の読み聞かせをする「読み聞かせキャラバン」の活動をインドでも開始しています。世界の子供たちにSDGsをテーマにした話を届けています。

鉄腕アトムのロボット「ATOM」がSDGsを啓発

講談社は、2020年7月に内閣府が10都市で実施を決定した「自治体SDGsモデル事業」の1つである「石巻市-講談社SDGs推進連携協定企画」に取り組んでいます。

講談社の鉄腕アトムのロボットである「ATOM」が石巻市の「SDGs広報大使」に就任し、キャラクターの力を生かしてSDGsを啓発しています。今後は、マンガ小冊子やショートアニメ、アプリなど様々な施策が行われる予定です。

まとめ

講談社では、様々な媒体や手段を通じて一般市民のSDGsに対する認知度を上げ、みんなで協力することを目指しているように思えます。ここから、講談社の取り組みをあえてSDGsのゴールに当てはめるのであれば、SDGs4番の「質の高い教育をみんなに」や、SDGs17番「パートナーシップで目標を達成しよう」があげられるでしょう。
出版社の強みである「コンテンツ」の認知度と展開力の強さは、SDGsの推進においても大きな力を発揮していることがわかりました。今後の講談社の施策にも期待が高まります。

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