生物多様性の達成状況を分析した報告書の日本語版が公開|国内の議論における指標の1つに

#SDGs目標14#SDGs目標15 2021.04.09

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【更新日:2021年4月9日 by 佐野 太一

引用:地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)

環境省は4月8日、「地球規模生物多様性概況第5版(GBO5)」の日本語版を作成し、公式ウェブサイトに掲載した。

GBO5は、各国から提出された国別報告書、IPBESアセスメントなどの生物多様性に関する研究成果やデータをもとに「生物多様性戦略計画2011-2020」及び「愛知目標(COP10で採択された生物の多様性を維持するための目標)」の達成状況について分析した報告書。

この報告書の英語版は2020年9月に公表されており、生物多様性に関する議論を行う際の基礎資料として活用されている。

GBO5の主なポイントは以下の通り。

  1. 愛知目標の達成状況
    設定された20の目標のうち、目標9(侵略的外来種の防止と制御)など6つの目標が「一部達成」と評価されたものの、完全に達成された目標は1つもなかった。また、各国が設定した目標の水準が、愛知目標の達成に必要とされる水準とギャップがあったことも指摘されている。 
  2. 生物多様性戦略計画2011-2020において進捗のあった10の分野
    直近10年間と比べて世界的な森林減少の速度が約3分の1に減少したこと、自然環境保全地域が、2000-2020年の期間に陸域で10%から少なくとも15%に、海域で3%から少なくとも7%まで増加したことなどが評価された。 
  3. ポスト2020生物多様性枠組の策定や実施のための教訓
    組織や教育機会におけるジェンダーの平等化を進めることや、先住民及び地域社会の役割を増やすこと、ゴールとターゲットは明確で簡潔な文言と定量的な要素を用いて適切に設定することなどが教訓として書かれている。
  4. 将来の展望
    COP10で設定された目標「自然との共生」を2050年までに達成するために必要な8つの社会変革について指摘。重要な生息地の保護や侵略性外来種の防除、連続性確保などによる淡水生態系の回復などが挙げられている。

2021年10月には、第15回生物多様性条約締約国会議 (CBD-COP-15)が中国・昆明市で開催される予定だ。GBO5の日本語版が公表されたことで、同会議に向けた日本国内の生物多様性を維持するための議論や、具体的な対策を策定する動きがより活発になるかもしれない。

なお、SDGsでは、ゴール14「海の豊かさを守ろう」・ゴール15「陸の豊かさも守ろう」として生物多様性を維持しつつ、それを持続可能な形で活用することが掲げられている。

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