世界の発電源、再生可能エネルギーの割合が約4割に|国際再生可能エネルギー機関が報告書を公開

#SDGs目標7 2021.04.07

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【更新日:2021年4月7日 by 佐野 太一

引用:Harrieの写真AC

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は4月5日、世界各国における再生可能エネルギーの普及状況についてまとめた報告書「Renewable Capacity Statistics 2021」を公開した。

同報告書によると、2020年に建設された発電施設の82%は再生可能エネルギーを電力に変換するもので、世界全体の発電源に占める再生可能エネルギーの割合は2019年から約2ポイント上昇し、36.6%となった。

昨年末時点で、再生可能エネルギーの発電容量は全体で27億9900万kWに達した。そのうち水力発電が最大のシェア(12億1100万kW)を占めているが、近年は太陽光発電と風力発電が追い上げを見せている。

2020年の再生可能エネルギー市場の成長をけん引したのは、中国とアメリカ。中国は、7200万kWの風力発電と4900万kWの太陽光発電を中心に、合計1億3600万kWの再生可能エネルギーを利用する発電設備を導入した。アメリカは、太陽光発電を15万GW、風力発電を約14GWの合計29GWの発電設備を導入済みだ。

再生可能エネルギーの割合が増加したのは、欧州、北米、アジア(アルメニア、アゼルバイジャン、グルジア、ロシア連邦、トルコ)で化石燃料を使用した発電の廃止が進んだことも一因とされている。

IRENAは、再生可能エネルギーの普及と持続可能な利用の促進を目的として2011年4月に設立された国際機関。再生可能エネルギー分野における技術・知識の移転や展開、能力向上支援、政策面での条件整備などを行っている。

IRENAのフランチェスコ・ラ・カメラ事務局長は、今回の報告書公開に際し、「困難な時期ではありましたが、2020年は『再生可能エネルギーの10年』の始まりの年となりました。発電コストが減るとともに市場は拡大しており、エネルギー転換をするメリットがこれほど明確になったことはありません」とコメントした。

コロナ禍の混乱があったにもかかわらず、世界の再生可能エネルギー市場は堅調な動きを見せた。2050年までのカーボンニュートラル達成を政策として掲げている日本も、この時代の潮流に乗らないわけにはいかない。

なお、SDGsでもゴール7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」で、エネルギーミックス(電源構成)における再生可能エネルギーの割合を増やすことが重視されている。

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