13カ国、100社以上がCO2の回収・再利用で連携|アジアCCUSネットワークの立ち上げが発表

#SDGs目標13#SDGs目標17#脱炭素(カーボンニュートラル) 2021.06.25

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【更新日:2021年6月25日 by 佐野 太一

引用:アジアCCUSネットワーク公式サイト

梶山弘志経済産業大臣は6月22日、「第1回アジアCCUSネットワークフォーラム」に出席し、CCUS活用に向けた産学官プラットフォーム「アジアCCUSネットワーク」の立ち上げを発表した。

同ネットワークには、13カ国の加盟国(ASEAN10カ国、豪州、米国及び日本)と、100社・機関を超える企業、研究機関、国際機関などが参画する。各国が協力し、知見の共有や事業環境整備を目指す。

CHECK!!
CCUSは、”Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage”の略称。火力発電所や工場などから排出されるCO2を分離・回収し、地中深くに貯留したり再利用したりする技術として注目を集めている。

梶山大臣はオープニングセレモニーで、日本のアジア地域でのCCUS発展への貢献の事例を挙げた。

  • 油ガス田や発電所、製造業、バイオマス、CCS実証センターなどが立地する「苫小牧CCUS・カーボンリサイクル実証拠点」における産業間連携のビジョン策定
  • 革新的な分離回収技術の開発や、本日事業者の採択が公表された船舶による長距離CO2輸送の実証
  • インドネシアにおける二国間クレジット制度(JCM)を活用したCCUS実証に向け、新たに日インドネシア事業者間でMOUや共同スタディ合意を締結し、更なる共同調査を開始予定
  • 米国・豪州における日本のモニタリングや圧入技術の活用実証などの国際連携
  • CCUS技術事例集の策定とアジアCCUSネットワークを通じた共有(第1弾は2021年8月公開予定)

グローバルCCSインスティチュートによれば、アジアにはCO2貯留に適した場所が数多くあり、ASEAN各国にはそれぞれ100億トンを超える貯留可能容量があるとされている。

21日に国際エネルギー機関(IEA)が新たに公表した特別報告書「東南アジアにおけるCCUSの機会(The opportunity for CCUS in Southeast Asia)」では、今後も化石燃料の需要が残る東南アジア地域においては、2030年では約3500万トン、2050年では2億トン超のCO2回収量が必要と見込まれている。この目標を達成するためには、2030年までに毎年10億ドル超の投資が必要だという。

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」では、気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込むことが掲げられている。再生可能エネルギーの導入には地理的な条件やコストの高さが課題になることが多く、アジア各国では欧州諸国と比べて導入が進んでいない。「CO2の回収・再利用」には、新たなビジネスを創造する可能性があると言える。

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