【更新日:2021年5月24日 by 佐野 太一】
提供:フリー素材のぱくたそ
経済産業省は5月18日、「グリーンイノベーション基金」を用いた水素関連プロジェクトの研究開発・社会実装計画を策定した。
グリーンイノベーション基金とは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に設置された総額2兆円の資金のこと。「2050年カーボンニュートラル」に向け、10年間にわたって対象企業の研究開発・実証から社会実装までを支援する経産省の肝いり政策だ。
なお、SDGs CONNECTは、経産省環境経済室長の梶川文博氏に詳しくお話を伺っている。
この基金の支援対象となる18のプロジェクトの中から、総額3700億円となる水素関連事業の公募を開始した。計画は大きく分けて2つ。
水素運搬船を含む輸送設備の大型化と水素発電の実機実証を実施。水素の大規模需要の創出とともに供給コスト低減を可能とする技術を確立し、2030年までに水素供給コスト30円/Nm3、2050年までに20円/Nm3以下(化石燃料と同程度)の達成を目指す。
余剰再生可能エネルギーを活用した国内水素製造基盤の確立、水電解装置の大型化やモジュール化、基礎化学品や熱需要の脱炭素化実証といった技術開発を支援し、水電解装置コストの削減(現在の最大1/6程度)を目指す。
SDGsゴール7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では、安価で信頼できる再生可能エネルギーへのアクセスの確保が重視されている。燃焼しても水しか生成されない水素は、環境に悪影響を与えないエネルギー源として注目を集めているが、輸送方法の策定などに課題がある。官民一体となった技術開発が進むことに期待したい。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。