【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ】
注目が高まるSDGsの17の目標は、数が多く、関連性がないようにも思えます。
しかし、実はSDGsの17の目標は、それぞれの特徴を分類すると「5つのP」に分類することができます。「5つのP」は、SDGsの原典でもある「2030アジェンダ」の冒頭にも登場し、持続的な社会を築く上でのキーワードになっています。
この記事ではSDGsの5つのPについて1`つずつ紐解いていきます。
見出し
SDGsが目指す世界を説明する『5つのP』とは?
2030年が刻一刻と近づくなかSDGsが大きく関心を集めていますが、目標や課題だけを意識してはいけません。SDGsの目標は世界規模で人類が今まで積み 重ねてきてできた課題を扱っているため解決が容易ではありません。そのためどれほど目標達成まで進展しているのかをはかるためにSDGsの基本概念である『5つのP』に注目されています。
【SDGsの5つのP】
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SDGs全17目標は別々に孤立しているわけではありません。この5つのPに分類できます。
この5つのPはSDGsの基本概念であるとされ、目標に向けてバランスのよい進展が必要とされています。
1. People 【人間】
1つ目の『P』はPeople【人間】のPです。人間の立場からSDGsを考え、全ての人権を尊重し、飢餓の防止、教育や福祉などを平等に受けられる環境づくりが大切というフレームです。
例えば約30年前まで1日1.9ドル以下で生活する人が世界の36%を記録した極貧時代が続いていました。2019年にはその割合が8%以下にまで減少しており、世界の貧しさは軽減したかに思われます。しかし一部貧困地域の貧しさが悪化している報告や、収益は増えたものの教育環境や綺麗な水が飲めないなどのさらなる課題がのしかかっています。
このように全ての人が平等に生きるためには根本的な課題である紛争や経済の脆弱性から生まれる課題を解決する必要があります。その具体的な解決策として
▼People【人間】に関係するSDGs目標
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2. Prosperity【繁栄】
2つ目の『P』はProsperity【繁栄】のPです。
経済活動の観点から私たちが安心して暮らせるようにしようとするフレームです。
近年では洋上風力発電などの再生可能エネルギーの推進を用いた自然と経済の調和が求められたり、MeTooや#TimesUpのように市民が社会での男女平等を訴えるようになっています。
このように国や地域の経済格差、職場での平等性や満足のいく収入とやりがいを感じれるような社会繁栄をすることがSDGsで求められています。
▼ Prosperity【繁栄】に関係するSDGs目標
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3. Planet【地球】
3つ目の『P』はPlanet【地球】のPです。地球温暖化や気候変動などの環境問題は経済だけでなく日常生活にも大きな脅威をもたらします。このような危機に対して地球規模で物事を認識し、地球の環境保護を進めていこうとするフレームです。
例えば2030年までにアメリカが50%、EUが55%の二酸化炭素排出量削減を目標に掲げる中、日本は46%の削減目標を2021年4月に設定しました。この目標を達成するためには官民一体となり、二酸化炭素排出を抑えた経済活動が必要です。
加えてこれまでの人間活動で破壊した自然保護することも持続可能な地球環境の構築も求められます。
▼Planet【地球】に関係するSDGs目標
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4. Peace【平和】
4つ目の『P』はPeace【平和】のPです。
平和の観点から争いのない世界をつくろうとするフレームワークです。『持続可能な開発なくして平和はなく、平和なくして持続可能な開発はない』と指摘しています。平和に関心を持ち、身近な行動に移す事が必要です。
▼Peace【平和】に関係するSDGs目標
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5. Partnership【パートナーシップ】
5つ目の『P』Partnership【パートナーシップ】のPです。
SDGsは世界各国、地域の全ての人たちの明るい未来のための目標です。目標達成にはグローバル規模の連帯が必要です。しかし5つのPの中でも進展の早いフレームや課題に悩まされているフレームまであり、アンバランスな状況に陥っています。
▼Partnership【パートナーシップ】に関係するSDGs目標
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まとめ
今回は『5つのP』について紹介してきました。
SDGsの各目標を木の実に例えるならば、『5つのP』は木の幹のような基盤のような存在です。『5つのP』からSDGsの目標を見ることで、所属している組織に足りない考えや行動が見えてくるのではないでしょうか?
また既にSDGsに関する取組みを実施している方も『5つのP』を復習することで思わぬアイデアが生まれるかもしれません。