《SDGs事例集》 いのちをつなぐ。みらいをつなぐ。 サラヤ株式会社

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【更新日:2021年9月15日 by 三浦莉奈

サラヤ株式会社、東京サラヤ株式会社(以下、サラヤ)は消毒剤や医薬品、洗浄剤などを幅広く手がける化学日用品メーカーです。サラヤの歩みは1952年、大阪にて手洗いと殺菌・消毒が同時にできる公定書外医薬品として「パールパーム石けん液」の開発から始まりました。

サラヤはSDGsにも積極的に取り組み、「衛生」「環境」「健康」の3つのキーワードを軸に、より豊かな地球環境を目指しています。サラヤはビジネスを通じて地球環境を守り、「いのちをつなぐサラヤ」としてさまざまなサスティナビリティな活動を行っています。

このページでは、サラヤの事業内容をはじめ、SDGs戦略や活動まで、幅広く紹介していきます。

【引用】世界の「衛生・環境・健康」に貢献|会社情報|サラヤ株式会社 (saraya.com)

サラヤのビジョン/事業

サラヤの概要

サラヤは、1952年の創業以来、アルコール手指消毒剤の開発やうがいの励行などを行い、衛生管理において日本を大きく支えてきた企業です。日本だけではなく、米国、カナダ、オーストラリア、中国、ヨーロッパなどにも拠点があり、世界に認められる化学製品企業として活躍しています。また、サラヤは時代の変化に沿った新しい製品の研究・開発を常に続けており、消費者のニーズに応えることに尽力しています。

現在は天然成分「ソホロ」を使った再生医療研究にも特に力を入れており、さまざまな分野で事業を展開しています。

創業年 1952年
資本金 4,500万円(サラヤ株式会社)

6,000万円(東京サラヤ株式会社)

事業 ①家庭用及び業務用洗浄剤・消毒剤・うがい薬等の衛生用品と薬液供給機器等の開発・製造・販売事業

②食品衛生・環境衛生のコンサルティング事業

③食品等の開発・製造・販売事業

サラヤの主な事業

サラヤの主な事業は、①家庭用及び業務用洗浄剤・消毒剤・うがい薬などの衛生用品と薬液供給機器等の開発・製造・販売事業②食品衛生・環境衛生のコンサルティング事業③食品などの開発・製造・販売事業に分けられます。

①家庭用及び業務用洗浄剤・消毒剤・うがい薬等の衛生用品と薬液供給機器等の開発・製造・販売事業

家庭用及び業務用洗浄剤・消毒剤・うがい薬等の衛生用品と薬液供給機器などの開発・製造・販売事業においては、私たちの日常生活において重要な、台所用品や洗濯用品、手洗い用品、スキンケア用品、オーラルケア用品、介護用品、健康食品、ベビー用品などの製品を幅広く展開しています。

代表的な製品は「ヤシノミ洗剤」やうがい薬の「コロロ」などです。

「ヤシノミ洗剤」は1971年に誕生して以来、変わらないコンセプトと品質で長きに渡り愛用されています。ヤシノミからつくられているため、肌にも地球にもやさしい洗剤です。

「コロロ」は粘膜に刺激を与えにくく、消毒・殺菌も効果的に行えるため、どの年代にも使いやすい商品となっています。

また、昨今、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、アルコール消毒を頻繁に行うようになり、サラヤの「ハンドラボ」シリーズは街のスーパーなどで見かけた人も多いでしょう。サラヤの「ハンドラボ」シリーズは幅広いウイルスや細菌の除去に有効であり、手荒れにも配慮しているため、人気の製品となっています。

‘‘誰一人取り残さない社会‘‘の実現のために

サラヤは、2020年11月に‘‘誰一人取り残さない社会‘‘を実現する共同企画として、株式会社セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドである「セブンプレミアム ライフスタイル」より、『ヤシノミ洗たく洗剤』、『ヤシノミ柔軟剤』、『薬用泡ハンドソープ』、『手指消毒スプレー』の本体・詰替え商品を全国のセブンイレブンやイトーヨーカドーで販売しました。

開発までには、変化し続ける消費者の生活様式や価値観の中で、以下を背景に共同企画が実現しました。

  • 地球環境や社会問題に配慮した商品が求められている
  • SDGs達成のための「行動の10年」の最初の年である
  • サービスを積極的に消費する”エシカル消費”にも注目が集まっている

化学製品ビジネスを通じて公衆衛生などの社会問題の解決を目指すサラヤと、日本最大規模の店舗数を誇り、社会環境の変化に価値ある商品やサービスの提供を通じて対応し、豊かで便利なくらしの実現に努めるセブン&アイグループが行ったこの共同企画は‘‘誰一人取り残さない社会‘‘の実現に一歩近づいたのではないでしょうか。

引用:https://www.saraya.com/news/2020/115378.html?utm_source=saraya&utm_medium=banner

②食品衛生・環境衛生のコンサルティング事業

食品衛生・環境衛生のコンサルティング事業では、さまざまな食品取扱現場で感染対策や食品衛生の分野を通じて総合的な衛生レベルの向上をサポートしています。食品衛生コンサルティング事業では、食品衛生部、食品衛生サポート部、公衆衛生部、技術サービス部に分けて「食の安全と安心」という食品製造・流通・販売における最大のテーマを追求しています。

また、環境衛生においては公衆衛生部を中心に、官公庁・学校・企業のみならず、社会活動に関わるすべての人に合わせた感染症対策商品・うがい関連用品をはじめとした予防衛生用品の開発、販売を行っています。

③食品などの開発・製造・販売事業

食品などの開発・製造・販売事業においては、食を通じて健康を維持できるようにさまざまな商品を展開しています。健康食品や低糖質食品、介護用のとろみ調整食品など日常生活をサポートする製品が主に販売されています。代表的な製品は、「ラカント」「ロカボスタイル」などの健康食品です。

人々の健康だけでなく、地球環境にも優しい製品を作るために、持続可能な原料調達を行うなどの取り組みも進んでいます。

引用:https://family.saraya.com/

引用:https://family.saraya.com/

サラヤの経営理念

サラヤは互いに密接な関係にある「衛生」「環境」「健康」の3つをキーワードを事業の柱として、より豊かで実りある地球社会の実現を目指しています。

またそれぞれのキーワードにも目標を掲げ、「衛生」では安心で清潔な生活の実現に向けてさまざまな感染リスクに低下させること、「環境」においては開発から廃棄に至るまでの全工程において持続可能な製品をつくること、「健康」の面においては、製品とサービスを通じてすべての人々の健康で文化的な生活を支えることを目標としています。

サラヤとSDGs

直接関係するSDGs

サラヤが着目する社会問題

サラヤは多様化する社会問題の中でも環境保全問題や公衆衛生問題に着目しています。

①環境保全問題

サラヤは特に植物原料の主要生産地であるマレーシア・ボルネオ島の環境保全に重きを置いています。ボルネオ島はアブラヤシプランテーションという農園の拡大により、野生動物の生息域が減少しています。森林や川辺は野生動物にとって生存のカギとなる場所です。しかしその大切な生息域が年々失われているのが現状となっています。

ボルネオ島とそこに暮らす野生動物を守るために、サラヤは熱帯雨林だった土地を買い戻し、分断された保護地をつなぐことで「緑の回廊」を回復させる計画を行っています。この「緑の回廊プロジェクト」の他にも「命の吊り橋プロジェクト」「野生動物の救出プロジェクト」などを行っています。

引用:https://www.saraya.com/conservation/activity/01.html

②公衆衛生問題

サラヤは公衆衛生の問題において、特に手洗いや手の消毒が重要であると考えています。

さらに、猛威を振るう新型コロナウイルスの流行を受けて、ポストコロナの対応をしなければいけないと考えています。新型コロナウイルスが収束するまで新しい生活のあり方や感染予防を支援しながら、新たな社会づくりの実現に目指しています。

また、日本だけではなく、世界に貢献するために、サラヤの対象となる衛生商品の売り上げの1% を寄付し、アフリカ・ウガンダで展開するユニセフ手洗い促進活動を支援する「100万人の手洗いプロジェクト」を2010年にスタートしました。

この「100万人の手洗いプロジェクト」を続けていくうちに、劣悪な状態にある医療機関の衛生環境も改善したいと考えるようになりました。そこで「病院で手の消毒100%プロジェクト」が立ち上げられました。病院内での病気の感染を防げば、乳幼児死亡率や妊産婦死亡率をもっと下げることができるのです。

参照・引用:https://tearai.jp/project/index.html、https://hospital.tearai.jp/project/index.html

サラヤのSDGs戦略

サラヤのSDGs戦略下記の5つの行動指針によって定められています。

  1. マテリアリティを特定し、事業活動を通して社会的課題を解決
  2. 社会との信頼関係の構築
  3. 真のグローバル企業の確立とガバナンス強化によるサステナビリティ経営の実現
  4. 地球環境の保全、資源の持続可能な活用を目指した新商品の開発、新事業の創設、バリューチェーン、事業活動マネジメントの強化
  5. サステナビリティ推進に対する社員への教育の実施

このように行動指針を細分化して、それぞれが目標達成を果たすことでSDGsへの理解と目標達成につながります。

組織としては経営マネジメントシステムであるTQM(Total Quality Management)の中で、SDGsの達成に向けた活動や、ISOマネジメントシステムの運用、CSRおよびコンプライアス活動など、サステナビリティの向上に関連する内容について統合的な推進を行っています。

引用・参照:report2020.pdf (saraya.com)、https://www.saraya.com/csr/csr/s-system.html、https://www.saraya.com/csr/csr/s-policy.html

サラヤのSDGs取り組み

一部ではありますが、サラヤのSDGsの取り組みを紹介します。

①衛生の改善、医療衛生、公衆衛生、食品衛生

SDGsを応援するハローキティと手指衛生のたいせつさを伝えています。このコラボプロジェクトには、きれいな水や設備を当たり前に感じてしまいがちな日本の子どもたちに向けて、改めて手洗い・消毒の大切さを見つめ直すとともに、世界の公衆衛生の現状を知ってほしいという願いが込められています。

また、世界中の子供達の公衆衛生を保つために、セーブ・ザ・チルドレンとのコラボを行ったりもしています。

取り組み例 セーブ・ザ・チルドレンをサポート

セーブ・ザ・チルドレンは、1919年にイギリス人教師エグランタイン・ジェブの呼び掛けで、第一次世界大戦で家や家族を失った子ども達に救援の手を差し伸べるために設立されました。すべての子どもの、「生きる・育つ・守られる・参加する」という「子どもの権利」の実現を目指し、子ども支援を展開しています。

サラヤでは、2004年より少しでも世界の子ども達の衛生環境が良くなるようにと願って、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの活動をサポートしています。サポート商品となっている、arau.シリーズおよびarau.ベビーシリーズの売上の一部がそれらの活動に使われています。

参照:セーブ・ザ・チルドレンをサポート|サスティナビリティ|サラヤ株式会社 (saraya.com)

参照:report2020.pdf (saraya.com)https://www.saraya.com/csr/csr/message.html

②環境配慮、自然派のコンシューマー商品

SDGs目標の12である「つくる責任つかう責任」に直結するテーマとして、サラヤは認証

パーム油の利用力を入れています。パーム油への依存率の高さは、森林破壊や陸上生物の生態系破壊などといった問題を引き起こす大きな原因となっています。

しかし、パームからは食用、非食用の両方の油を搾り取りことができるため、高い需要があります。また、パームのアル地域で住む人々の雇用を生むなど、人々の生活にも欠かせないものとなっているので。そのため、パーム油からの脱却をすぐに実行するのは難しいといえます。そこで、サラヤでは認証を受けた持続可能なパーム油のみを使うことを約束しています。認証を受けたパーム油を使うことで、違法な森林伐採やパーム林の拡大を抑えることに貢献しています。

また、エネルギー問題への取り組みやリサイクル活動などにも力を入れて取り組んでいます。

③太陽光発電

伊賀工場と東京本社で太陽光パネルによる発電をおこなっています。これらの発電は工場で使用する電力の一部や本社で使われる1ヶ月分の電力使用料の約5%をまかなっています。

④エコマークへの取り組み

エコマークは、様々な商品(製品およびサービス)の中で、「原料」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つことが同協会によって認定された商品にのみつけられる環境ラベルです。サラヤは「脱・使い捨て」をめざしてヤシノミ洗剤の詰替パックを開発し、平成3年(1991年)にはエコマークの認定を受けました。

⑤食を通じて健康を維持

食品製造も行っているサラヤですが、現代人のライフスタイルや健康志向の人向けに、ヘルシーな食品の開発を続けています。代表的なものとして「ラカント」と「ロカボスタイル」があげられます。

「ラカント」とは、古くから漢方として親しまれてきたウリ科の果実「羅漢果」のエキスとトウモロコシから得られる「エリスリトール」からつくられた自然派甘味料です。安全性の高い自然派食品なのでどんな人でも安心して食べられます。

「ロカボスタイル」の製品は低糖質な食事を簡単に美味しくとれるように工夫された低糖質な食品シリーズです。

食事を楽しみながら健康を促進できる商品開発・販売で多くの人気を集めています。

取り組み例 糖尿病と闘うブルーサークル運動

ブルーサークルとは、国際連合が決議し国際糖尿病連合(IDF)が推進する「糖尿病との戦いのために団結せよ(Unite for Diabetes)」キャンペーンのシンボルマークです。青い輪は、国連や空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」を表しています。サラヤでは「ラカントS」を通して公益社団法人日本糖尿病協会と共に、ブルーサークル運動(啓発運動)に協賛しています。

引用:https://www.saraya.com/csr/social/bluecircle.html

まとめ

公衆衛生がどれほどたいせつなものか。わたしたちは新型コロナウイルスによってそれを思い知った2020年かもしれません。清潔で安全である状態も持続可能な社会でなければ、継続することは難しいでしょう。

サラヤは多角的に健康を支援する事業を行っています。それはSDGsに対する取り組みも同様です。今後もサラヤのさまざまな取り組みに期待が高まります。

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