【更新日:2021年6月25日 by 佐野 太一】
梶山弘志経済産業大臣は6月22日、「第1回アジアCCUSネットワークフォーラム」に出席し、CCUS活用に向けた産学官プラットフォーム「アジアCCUSネットワーク」の立ち上げを発表した。
同ネットワークには、13カ国の加盟国(ASEAN10カ国、豪州、米国及び日本)と、100社・機関を超える企業、研究機関、国際機関などが参画する。各国が協力し、知見の共有や事業環境整備を目指す。
CCUSは、”Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage”の略称。火力発電所や工場などから排出されるCO2を分離・回収し、地中深くに貯留したり再利用したりする技術として注目を集めている。
梶山大臣はオープニングセレモニーで、日本のアジア地域でのCCUS発展への貢献の事例を挙げた。
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グローバルCCSインスティチュートによれば、アジアにはCO2貯留に適した場所が数多くあり、ASEAN各国にはそれぞれ100億トンを超える貯留可能容量があるとされている。
21日に国際エネルギー機関(IEA)が新たに公表した特別報告書「東南アジアにおけるCCUSの機会(The opportunity for CCUS in Southeast Asia)」では、今後も化石燃料の需要が残る東南アジア地域においては、2030年では約3500万トン、2050年では2億トン超のCO2回収量が必要と見込まれている。この目標を達成するためには、2030年までに毎年10億ドル超の投資が必要だという。
SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」では、気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込むことが掲げられている。再生可能エネルギーの導入には地理的な条件やコストの高さが課題になることが多く、アジア各国では欧州諸国と比べて導入が進んでいない。「CO2の回収・再利用」には、新たなビジネスを創造する可能性があると言える。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。