【更新日:2021年9月15日 by 三浦莉奈】
adidas(以下:アディダス)は、アディダス・リーボックブランド製品の販売やその付帯事業を行うグローバル企業です。主にアパレルやフットウェアを販売しており、「スタンスミス」や「スーパースター」のように長年人気の衰えないモデルや、時代に合わせた幅広い商品展開で人々に永く愛され続けているブランドです。
アディダスでは、プラスチック廃棄物が引き起こす問題に対して、サステナブルな取り組みを行っています。
このページでは、アディダスの事業内容をはじめ、SDGs戦略や活動まで、幅広く紹介していきます。
見出し
アディダスのビジョン / 事業
アディダスの概要
アディダスは1949年にドイツで誕生しました。
1954年にスイスで開かれたワールドカップで、当時最強と謳われていたハンガリーにドイツが勝利し、ドイツの選手が履いていたスパイクがアディダスのものだったことをきっかけに、人々からの注目を集めることとなりました。
1967年にアパレルを展開し、1972年にはドイツのミュンヘンでオリンピックが開かれたことを機に、現在ではライフスタイルやストリートを展開するadidas Originalsコレクションのロゴが生まれました。
その後も、あらゆるスポーツ、ファッション、スタイルに対応するアパレル・フットウェアを提供しています。
設立年 | 1949年8月18日 |
従業員数 | 62,285人 |
事業 | アディダス・リーボックブランド製品の販売とその付帯事業 |
*2020年12月31日現在
【引用】adidas – Investor Relations
アディダスの事業内容
アディダスでは、アディダスの他にリーボックブランドの販売やその付帯事業も行っています。
また、FIVAワールドカップの公式試合球の提供を行っており、サッカー日本代表の公式サプライヤーも務めています。
■Performance
■Street
■Style
■Reebok
アディダスの経営理念
アディダスは、「Through sport, we have the power to change lives.(スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力がある。)」を目的に掲げています。
また、2025年までの戦略的ビジネスプランとして「Own the Game」を掲げています。これは、アディダスブランドの信頼性を強化し、独自の消費者体験を創造し、そしてサステナビリティ(持続可能性)の領域で企業活動を継続していくことを目的としています。
アディダスのSDGs戦略
アディダスはSDGs戦略として、環境保護団体のParley for the Oceansと共に、海洋のプラスチック廃棄物を原料にした製品を製造したり、プラスチックの問題意識を高める取り組みを行っています。
プラスチックが引き起こす問題
プラスチックは、軽量で安価、丈夫、用途が無限なので食品のパッケージや電化製品、自動車、衣類などさまざまな場所で使用されています。しかし、このプラスチックが現在、汚染物質の1つになっています。
今や世界中で年間3億トンの未使用プラスチックが製造され、1人あたり1トン以上のプラスチックを捨てていることになります。
捨てられたプラスチックは自然に消滅しません。すべてリサイクルできれば良いのですが、実際に世界中でリサイクルされているプラスチック廃棄物はわずか10%未満です。残りのプラスチックは一般ゴミと一緒に焼却されるか、埋め立て地に捨てられるか、住宅地や街中に捨てられています。これらが最終的に行き着く先は「海」です。現在、1日あたり毎分トラック1台分ものプラスチックが捨てられているペースなので、科学者たちはこのペースだと、2048年までに魚よりも海中のプラスチック廃棄物のほうが多くなると予測しています。
また、捨てられたプラスチックは海で生息する生物に大きなダメージを与えます。プラスチックを飲み込んだ生物は、消化器官を通り血液に流れこみ、生殖能力の低下、臓器の損傷、生命を脅かす危険があります。従って、食物連鎖によって私たちにも影響を与える可能性が大いにあるのです。
このようなプラスチックが引き起こす問題に対処するために、プラスチックの使用を完全に禁止すること、材料自体を作り替えること、海洋からプラスチックを大規模に除去することができる装置の試作などさまざまな取り組みが世界中で行われています。
アディダスのSDGsの取り組み
アディダスはこのようなプラスチック問題に対してさまざまな取り組みを行っています。
一部ではありますが、取り組み事例をいくつか紹介します。
取り組み事例①:adidas x Parley
アディダスは環境保護団体のParley for the Oceansと共に、海洋のプラスチック廃棄物をプロダクトの原料として使用するという課題に取り組んでいます。
プラスチック廃棄物は、Parleyと世界規模のクリーンアップネットワークによって回収され、洗浄され、織糸に加工されシューズやアパレルなどを作るために使用されます。adidas x Parley トレーニングウェアは、こうしたプラスチック廃棄物をアップサイクルした素材を75%以上使用し、エネルギーと水の使用量を抑えるプリント工程で製造されています。
トレーニングのための優れたサポート力や通気性を発揮し、優れたパフォーマンスと地球環境への貢献をどちらも叶えるウェアです。
取り組み事例②:Run For the Oceans
アディダスが主催するRun For the Oceansはスポーツの力を借りてプラスチックの問題に対する意識を高め、世界中で行動を起こす役割を担っています。
参加者が1キロ走るごとに、Parley Ocean Schools の教育プログラムに1ドルが寄付される仕組みです。
このプログラムは、海を守ることの重要性、プラスチックゴミの問題、そして環境と調和して生きるための行動について若い人々を教育することで、健全な海とクリーンな地球のための取り組みにおいて将来を担う世代に力を与えています。
まとめ
アディダスはすべての生物に脅威をもたらすプラスチック廃棄物に対して、さまざまな取り組みを行っています。
プラスチックが引き起こしている深刻な問題をスポーツを通して広める考え方は、スポーツウェアを販売するアディダスならではの戦略だと感じました。
スポーツを通じてサステナブルな社会を目指す、アディダスの今後の活躍に目が離せません!