《徹底解説》気候変動サミット2021まとめ|概要から各国の削減目標まで解説

#SDGs目標13#気候変動#汚染#環境 2021.06.15

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【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ

4月22日から23日にかけて気候変動サミットが開催され、日本政府は温暖化ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で46%削減すると表明しました。

サミットは主要国首脳会議のこと意味していますが、気候変動サミットはその名の通り「気候変動」について「主要国の首脳で話し合う」というものです。

この記事では、地球温暖化や海面の上昇など世界規模での問題になっている気候変動について、各国の首脳がどのようなことを話し合うのか、どのように行なわれたのかをまとめて解説します。

また、「気候変動サミット2021」の概要についても詳しく説明します。

国連気候変動サミットの概要

気候変動サミットとは

気候変動サミットとは、世界各国の首脳が地球温暖化対策について話し合う国際連合の会議のことを指し、日本では「国連気候変動首脳会合」とも呼ばれています。

元々は潘基文(バンキムン)第8代国連事務総長の強い呼びかけで開催されたもので、国連主催で2009年9月と2014年9月の過去2回、国連本部のあるアメリカのニューヨークで開催されてきました。

先進国と新興国の対立で難航する地球温暖化対策の国際交渉を加速させる狙いがあり、通常の国連が幅広いテーマを扱うのに対して、温暖化対策のみを議論する国連気候変動サミットには、地球温暖化が人類共通の切迫した問題であるとの危機意識が込められています。

2021年4月、ジョー・バイデン米国大統領主催の気候サミットが開催され、日本や中国、EUなど世界各国・地域の首脳40人が招待され、2日間にかけて気候変動対策について議論が交わされました。

気候変動サミットの意義とは

この気候変動サミットの意義は「課題の共有」と「協力関係の締結」にあります。

二酸化炭素排出量は、世界1位の中国と2位の米国だけで世界の二酸化炭素の総排出量の約4割を占めているという現状があります。それを受け、地球規模の課題を解決するために台湾情勢や人権をめぐり対立が深まる米中が共同歩調を取るなど、課題を共に解決していくことが求められています。

グローバルな気候変動の課題に本格的に取り組み、目の前にある機会を捉えるには、国内・国外での努力が拡大されなければなりません。

気候変動サミットは現状を再確認し、協力関係を結ぶ場として設定されています。

国連気候変動サミット2021

気候変動サミット2021概要

気候変動サミット2021はバイデン米大統領が主催したもので、2021年4月22日〜23日の2日間にわたって開催された気候変動に関するオンライン首脳会議です。

日本や中国、ロシアなど温室効果ガスの主要排出国・地域の首脳40人を招待しており、環境保護に消極的だったトランプ前政権からの政策転換と、多国間枠組みへの復帰をアピールする狙いがありました。

初日となる22日には、主催者であるバイデン米大統領が演説しました。また、バイデン大統領は会議で「科学者は今後10年が決定的に重要だと言う。気候危機による最悪の結果を避けるための行動を各国は決定しなければならない」「このサミットが11月に開催される第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けた最初の一歩だ」と述べ、各国に気候変動対策強化を訴えました。(発言引用:JETRO

日本政府は気候変動サミット前に地球温暖化対策推進本部を開催。2030年度の削減目標をこれまでの13年度比26%減から7割以上引き上げる方針を決めました。経済産業省は40%程度の削減が限度と主張していましたが、菅首相の判断で野心的な目標が掲げられました。菅首相はサミットで「さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける」とも発言しています。

日本の菅首相以外にも、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、国連のグテーレス事務総長などが取り組みを発表しました。

各国の発表の仮訳は、IGES(地球環境気候変動サミット2021は、コロナ禍の影響を受け、オンラインでの開催になり招待された日本や中国、ロシアなど主要排出国・地域の首脳40人は各自、自国からの参加となりました。戦略研究機関)がWebサイト上でまとめて公開されています。合わせて参考ください。

気候変動サミット2021のポイント

ポイント①:国別の削減目標

アメリカ

  • 2030年までに温室効果ガスの排出量を2005年比で半分にまで削減し、2050年までに排出量ゼロを目指す
中国

  • 2021年から2025年の間に石炭消費の伸びを厳密に管理し、続く2026年以降に石炭消費を徐々に抑制する
  • 「グリーン経済の発展」を目指していく立場を確認し、世界的な環境管理を推し進めるため、米国を含めた国際社会と連携していく用意があると発言。
ロシア

  • CO2の排出量の削減は難しいことではあるが、実現可能なものである。
  • ロシアは広大で、地理的にも、気候的にも、また経済構造にも特徴があるが、それでもこの課題は実現できるものだ。
  • 1990年以降、ロシアは温室効果ガスの排出量を、31億トンから16億トンにまで半減したその結果、現在、ロシアのエネルギーバランスの45%が、原子力発電を含めた低排出エネルギー源となっている
日本

  • 2030年までに温室効果ガスの排出量を2013年比で46%削減する(元の目標は26%の削減)
  • 国連の「緑の気候基金(グリーン・クライメイト・ファンド)」に最大30億ドル(およそ3,263億円)を拠出する

ポイント②:削減目標達成のために補助金、減税の拡充

アメリカは目標を達成するため、発電部門の温暖化ガス排出を2035年までに実質ゼロにする削減目標を掲げています。そのために、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを補助金や減税で支援する方針を打ち出しています。

欧州も、温暖化防止に向けた企業・投資活動の判定基準である欧州タクソノミーを発表しました。カナダも、グリーンテクノロジーに特化した企業への投資や、温暖化ガス排出実質ゼロを実現した企業の法人税を50%軽減するなど、各国で目標達成に向けた産業政策が策定されています。

気候変動サミット関連記事

SDGs CONNECTでは、国内のグリーン成長戦略を推し進める経済産業省 環境経済室長の梶川氏のインタビューを公開しています。

また、日本政府が目指す脱炭素社会(カーボンニュートラル)について詳しくは以下の記事をご参考ください。

気候変動は、SDGsでも目標13「気候変動に具体的な対策を」として掲げられており、全世界が一眼となって解決すべき課題です。SDGs 目標13「気候変動に具体的な対策を」について詳しくは以下の記事をご覧ください。

さいごに

今回は気候変動サミットに関して学んできました。

気候変動は世界全体を巻き込む大きな問題です。

私たちが小さな取り組みをすることはもちろん重要ですが、もはやこの問題は各国のトップが手を取り合わなくては解決できないところまで来てしまっているのかもしれません。

今回紹介したように、各国はこの気候変動サミットで声明を出しています。

特に日本やアメリカ、ブラジルは目標の数値を上げたり、目標時期を前倒しするなど推進に意欲的な姿勢が見られます。

この目標が達成され、一刻も早い解決がなされることを願っています。

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