《SDGs基礎》目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を徹底解説

#RE100#SDGs目標7#アクセス#エネルギー#エネルギー資源#パリ協定#再生可能エネルギー#技術#発電#脱炭素(カーボンニュートラル) 2021.02.12

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【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ

私達の身近に「エネルギー」は存在し、私達の便利な生活は「エネルギー」に支えられています。ガスコンロで作った朝ご飯をテレビを見ながら家族で食べて、スマートフォンで友人と連絡を取りパソコンで仕事や課題をこなす。休みの日は暖房の効いた部屋にこたつであたたまりながらぬくぬくと過ごす。こんな私達の便利な生活を支えているのは都市ガス、電気やガソリンと言った「エネルギー」なのです。しかし、世界には私達が当たり前に使っているこの「エネルギー」を簡単に使う事が出来ない国が多く存在します。

SDGsの目標7で掲げられているエネルギー問題は実は日本も大きく関わっています。

エネルギーを世界で平等に分けられるように、そしてクリーンなエネルギーを生み出すためにSDGs目標7では「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」が取り上げられています。今回は世界や日本におけるエネルギー問題を取り上げ、エネルギーを解決するために私たちにいま何ができるのかを考えていきましょう。

見出し

SDGsとは

SDGsは“Sustainable Development Goals”の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

目標7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに

「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の内容

持続可能な開発目標・SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、地球上のエネルギー問題を解決するための内容です。世界中の全ての人々に安く信頼でき、持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する事を目的としています。

実現するためには、太陽光、風力、地熱など様々なエネルギー源に投資が必要となります。一方で生産できるエネルギーの量は限られるため、エネルギーの「節約」も必要となります。

つまり、地球環境へのダメージを抑えた「再生エネルギーの利用の促進」と、私たちの生活において無駄遣いしてしまっているエネルギーを抑える「省エネ」が目標7を達成するためには重要です。

(参照:総務省|政策統括官(統計基準担当)|持続可能な開発目標(SDGs)

「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」のターゲット

7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率、および先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究および技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国および小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う

(引用元:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

世界が抱えるエネルギー問題の現状

世界で電気を使えない人は8.4億人も

電気が使えない地域では薪や炭を燃やして料理をしたり暖房にしたり、部屋の明かりにしています。

また、夜でも明かりを使えず、仕事や勉強が出来ない人々もいるのです。

そのため、電気をはじめとしたエネルギー供給が不十分な地域では医療や教育が他の地域に比べて遅れ、いつまでも発展が滞ってしまいます。特に途上国では都市と地方の間で格差が拡大しているのが現状です。

(参考:Renewables 2019 Global Status Report (REN21) )

人口増加に伴うエネルギー需要と消費の増加

世界の人口は増え続け、2010年には69.2億人となっている。今後、発展途上国の人口増加に伴い、2100年には2010年の約1.6倍に達すると予測されており、エネルギー需給も著しく増大することが予想され世界的なエネルギーの需給のひっぱくが懸念される。

特に中国やその他のアジア諸国、中東諸国などでは、人口増加と工業化の進展などから依然として大幅な増加が続いている。今後もこれらの国々を中心として世界のエネルギー消費量は、ますます増えていくものと考えられる。

(参照:日本原子力発電株式会社:世界のエネルギー事情

化石燃料の過剰消費

近年、化石燃料の利用が急速に増大したことに伴い CO2の排出量大幅に増えています。今後は新興国のエネルギー需要が急増し、それにともなう化石燃料の消費の増大が見込まれているなか、CO2排出量の削減は地球規模で実施すべき急務です。

(参照:関西電力:エネルギーの現状 > 世界のエネルギー事情

①クリーンでは無いエネルギー

クリーンではないエネルギーは地球に害を与えるリスクのあるエネルギーで石油や石炭などが例として挙げられます。人々の快適な暮らしを支える大きな役割を果たす一方各国の経済力を表す指標の一つです。

石油や石炭などのクリーンでないエネルギーは燃焼させると二酸化炭素が発生する事から地球温暖化の要因となる恐れがあります。

地球温暖化が悪化すると海面が上昇するだけでなく、気候変動も活発となり食料不足につながる可能性も否定できません。エネルギー問題が海洋問題や飢餓問題など、他の目標へも影響してしまいます。

人間だけでなく、地球上の自然や動物に大きな悪影響を与えかねない事からクリーンでないエネルギーを使用する際は、環境への負担を考えながら生産し取り入れる必要があります。

(参考:国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所公式サイト:安価なクリーン・エネルギーの普及

②化石燃料への依存率の問題

国内のエネルギー消費量における化石燃料への依存率が高いことも問題です。

日本には、もともと化石燃料を利用する火力発電への依存度が高い傾向があります。さらに、2011年の震災以降化石燃料依存率は5%ほど上昇しています。この上昇は、原子力発電所の稼働停止で不足した電力供給を火力発電によって補ったことが原因です。

火力発電は、地球温暖化の要因である温室効果ガスを排出します。

温暖化防止のためには化石燃料への依存率を下げ、二酸化炭素の排出量を減らすことが重要です。温暖化対策への国際的な取り組みとして、2015年にはパリ協定が合意されました。日本はパリ協定によって、2030年までに2013年度と比較した温室効果ガスを26%削減する目標を掲げています。火力発電による二酸化炭素の排出量を減らすには、化石燃料を利用しない再生可能エネルギーに代替していく必要があります。太陽光発電や水力発電、風力発電など、二酸化炭素が発生しない発電方法の普及が今後の課題です。

(参照:日本の3大エネルギー問題をわかりやすく解説!対策・解決策も紹介|太陽光チャンネル

日本が抱えるエネルギーの問題

エネルギー自給率の問題

日本は世界第5位のエネルギー消費大国です。しかし、もともとエネルギー資源の少ない日本は一次エネルギー(石油・石炭等の化石燃料、原子力の燃料であるウラン、水力・太陽光・地熱等の再生可能エネルギーなど、自然から直接得られるエネルギー)の自給率がわずか4%程度しかなく、ほとんどを輸入に頼っています。しかもその輸入先は政情が不安定な中東地域が多く、相手国の情勢等によっては安定的な資源調達が困難になるリスクがあります。実際に、1970年代に起きた2度に渡る石油ショックでは、日本をはじめ、当時石油に過度に依存していた国の経済に多大な影響が及びました。今後は自給率が低いアジアなどのエネルギー消費国同士で競争が激化する可能性も考えられるため、自国でのエネルギー生産は喫緊の課題です。

(参照:もう一度考える エネルギー問題と日本の未来

原子力の問題

2011年3月に発生した東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所一原発の事故により、当時の民主党政権が、経済への影響や政策の実現可能性を十分に検証することなく突如「2030年代までの原発ゼロ」を政策として掲げました。2021年2月現在、33基中4基の原子力発電所のみが運転しています。原子力発電所の稼働数が減ったことから化石燃料への依存が著しく高まり、年間3兆円以上の国富が燃料の輸入費として海外へ流出しているのです。

(参照:もう一度考える エネルギー問題と日本の未来原子力発電所運転実績

注目が高まる脱炭素社会

脱炭素社会とは?

脱炭素社会とは石炭火力などの発電、自動車や飛行機による移動などクリーンではないエネルギーによる温室効果ガスの排出自体を抑制するだけでなく、排出された二酸化炭素を回収するなどして、差し引きで実質的にゼロを達成しようという考え方の事を指します。これを実現する社会を「脱炭素社会」と呼びます。

温室効果ガスを減らし、地球温暖化を解決する「脱炭素化社会」は世界中の国と地域が共通で取り組むべき課題です。

(参考:NHK NEWS

日本が目指す脱炭素社会 菅総理の発言

日本においても「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と菅総理大臣が所信表明演説で示しました。

二酸化炭素を排出しない 再生可能エネルギーの利用拡大を進めるとともに、エネルギー使用量の少ない省エネ製品(エコカー、省エネ住宅、省エネ家電など)への買い換え・サービスの利用・ライフスタイルの選択など、地球温暖化対策に役立つ「賢い選択」を促す国民運動である「COOL CHOICE」も推進されています。国全体が再生可能エネルギーの利用に踏み切るだけでなく、私たちもライフスタイルを柔軟に変化させ、地球に優しい社会を目指していく姿勢が重要です。

再生可能エネルギーの可能性

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは違い太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーの事です。

再生可能エネルギーの大きな特徴は、「枯渇しない」「どこにでも存在する」「CO2を排出しない(増加させない)」の3点です。

(参照:関西電力公式ホームページ:再生可能エネルギーとは何ですか? | よくあるご質問

再生可能エネルギーの種類

【太陽光発電】

太陽光発電は日本を代表する再生可能エネルギーでありシリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法です。日本における導入量は、近年着実に伸びており、2016年度末累積で3,910万kWに達しました。

【風力発電】

風のエネルギーを電気エネルギーに変えるのが風力発電です。日本における風力発電の導入は欧米諸国に比べると遅れているものの、2000年以降導入件数は急激に増え、2016年度末で2,203基、累積設備容量は335.7万kWまで増加しています。

【バイオマス発電】

バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称です。バイオマス発電では、生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。技術開発が進んだ現在では、さまざまな生物資源が有効活用されています。

【水力発電】

水資源に恵まれた日本では、発電への利用も昔から盛んで、国内でまかなうことのできる、貴重なエネルギー源となっています。水力発電といえば大きなダムを想像しますが、近年は中小水力発電の建設が活発化しています。中小水力はさまざまな規模があり、河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用する場合もあります。中小水力発電所は、従来の大規模水力発電よりも規模が小さいため、建設できる場所が多く、今後の更なる開発が期待されます。

【地熱発電】

地熱発電では、地下のマグマの熱エネルギーを利用して発電をおこないます。日本は火山帯に位置するため、地熱利用は戦後早くから注目されていました。本格的な地熱発電所は1966年に運転を開始し、現在では東北や九州を中心に展開をしています。総発電電力量はまだ少ないものの、安定して発電ができる純国産エネルギーとして注目されています。

(参照:経済産業省資源エネルギー庁:地熱発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー

再生可能エネルギーのメリット

①利用時に温室効果ガスを排出しない

再生可能エネルギーは利用する際、地球温暖化の原因と言われている温室効果ガスを排出しません。そのため、世界中で再生可能エネルギーを導入する動きが広まっています。今、世界の国々ではパリ協定に基づいて、二酸化炭素など温室効果ガスの削減目標を定め、その削減目標に向けた削減努力を行っています。日本も、2030年度の温室効果ガス排出量を「2013年度比で26%削減」という目標を定めています。利用時に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの普及は、この温室効果ガス削減目標を達成するためには必要不可欠と言えます。

(参照:再生可能エネルギーとは?今後の課題やメリット・デメリット|太陽でんき®

②永久にエネルギーを生み出せる

再生可能エネルギーは資源が枯渇しない為、永久にエネルギーを生み出せます。

現在使用している化石エネルギーは主に過去から積み重なってきた動物や植物の死骸などからできています。この資源は数年でできるものではない為、使用すれば使用するほどなくなってしまいます。その点、再生エネルギーは資源が尽きることはないので、持続可能性が高く、注目が集まっています。

(参照:株式会社スマートテック スマート電気コラム:再生可能エネルギーとは?メリットや種類、特徴

再生可能エネルギーの課題

①発電コストが高い

再生可能エネルギーを使用した発電機器の導入に時間とコストがかかることが課題としてあげられます。技術の発展により、以前に比べると時間とお金はかからなくなってきていますが、まだ課題が残っているのが現状です。

(参照:株式会社スマートテック スマート電気コラム:再生可能エネルギーとは?メリットや種類、特徴

②発電量が天候などに左右される

発電量が天候や季節といった環境的要因に左右されるため安定しづらいという課題もあります。天候の悪化などが続いた場合電力の供給が滞ったり、需要と供給のバランスが崩れて大規模停電の原因になるといったリスクがあ。

この課題を解消するために、需要と供給のバランスをコントールするVPP(バーチャルパワープラント)と呼ばれるシステムの実用化に向けた取り組みも進んでいます。

(参照:株式会社スマートテック スマート電気コラム:再生可能エネルギーとは?メリットや種類、特徴

世界で進むその他の取り組み

IEAの取り組み

IEA(International Energy Agency)とは石油を中心としたエネルギーに関するグローバルな協力を行う国際エネルギー機関の事です。電力の安全保障という観点で見た時、再生可能エネルギーなどのクリーンなエネルギーの急激な増加は電力の不安定性にもつながります。

そこで、電源の分散、再エネの不安定な出力を補うことができる出力調整可能な電源、電力の貯蔵、再エネのシステム統合などが必要となってきます。IEAは、こうした点に関する分析・提言を通じて、世界の電力安全保障の強化に貢献しています。

(参照:経済産業庁資源エネルギー庁

省エネを推進する欧州連合

2005年に欧州連合において、電化製品などの環境配慮設計を義務づける規制で「EuP指令(Energy-using Products)」と呼ばれるエネルギー製品枠組み指令が公布されています。その後内容を拡充し、2009年に「ErP指令(Energy-related Products)」と呼ばれるエネルギー関連製品のエコデザイン指令が公布され、現在まで適用されています。ErP指令の対象となる製品は家電のみに限らず、エネルギーに関連するすべての製品に広がっています。ErP指令には、製品の設計から製造、梱包、輸送、使用、廃棄までのライフサイクル全体を通して、資源の消費量や汚染物質の排出量を削減するという目的もあります。

(参照:エコデザインとエネルギーラベルで省エネを推進する欧州連合 – 世界の省エネ

多くの企業が参画するRE100

CHECK!!: RE100とはRE100は国際的なイニシアチブ(積極的な取り組みの枠)で、企業が使う電力の100%を再生可能エネルギーでまかなうことを宣言し、地球温暖化対策としても注目を集めています。同じく、「事業の活動で使用する電気などのエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達すること」を目標に掲げる企業が加盟し、世界で230社以上、日本では40社以上がRE100のパートナーとして活動しています。

RE100に取り組む海外企業の事例①コカ・コーラ・ヨーロピアン・ パートナーズ

コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズは、RE100に参画した2015年に消費される電力の32.8%を再エネ・低炭素電力に切り替え、CO2排出を年間で 569万6200トン削減に成功しました。再エネ電力は購入した電力量の18.2%を占めています。また、同社は独自のサステナビリティ計画を掲げ、2020年までに再エネ・低炭素電力の割合を40%まで高めることを目標としています。

(参照:参考資料3 RE100 加盟企業に対する文献調査結果[PDF 3.6MB].pdf

RE100に取り組む海外企業の事例②:スターバックスコーポレーション

スターバックスは、RE100に参画した2015年、世界中の同社直営店舗においてすでに再エネ100%を達成していました。再エネ100%は達成したものの、スターバックスは総電力使用量が2011年5億5800万kWhから2015年までの5年間で約2.5倍も増加しています。この理由として、ビジネスの急速な拡大に伴う、食品商取引や調理にかかるエネルギーの増加があげられます。電力消費寮の著しい増大を受け、総電力消費量の増加を認識し、スターバックスは直営店での省エネに取り組んでいます。

(参照:環境省 RE100加盟企業への文献調査結果:参考資料3 RE100 加盟企業に対する文献調査結果[PDF 3.6MB].pdf

日本のエネルギー問題解消への取り組み

日本ではエネルギー問題解消への取り組みとして「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と菅総理大臣が所信表明演説で示し「脱炭素社会」を目指し動いています。

菅総理大臣の脱炭素社会についての演説の一部

温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します。

(参照::SDGsJOUNAL:前の記事を見る 菅総理所信表明演説「2050年までに脱炭素社会を実現」

ガソリン車禁止に向けた取り組み

小池百合子都知事は2020年12月8日の都議会本会議で「ゼロエミッション化を進めることが気候変動に立ち向かう世界の大都市の責務」と答弁し、東京都における純ガソリン車の新車販売を2030年までにゼロとする方針を明らかにしました。

ガソリンなどの化石燃料を燃やしてエンジンで走る自動車は、内燃機関=Internal Combustion Engineの略で「ICE」車と呼ばれます。2030年代を中心にICE車の新車販売を禁止するのはすでに脱炭素社会を目指す上でマストとなってきており世界の大きな流れになっています。

(参照:アユダンテ株式会社 EVsmartvlog:19 thoughts on “日本も2030年代半ばにガソリン車販売禁止の方向へ〜世界の動きや理由とは【まとめ】”

ガソリン車禁止に向けた日本の動向

日本はHVを含めた形で脱ガソリン車を図ろうとしています。エンジンと電気の両方を使うHVの技術はトヨタ自動車をはじめ日本のメーカーが世界をリードしている。得意のハイブリッド技術をできるだけ生かしながら本格的な電動化の時代に備える、国もそうした道のりを描いています。

2030年までの目標達成のためにはまずは車をつくるメーカー側が電動車100%の体制にシフトできるかどうかが鍵となります。国内で2019年に販売された新車430万台のうち、HVは3割超です。EVやFCVは1%未満にとどまり、ガソリン車が6割を占めています。(日本自動車工業会調べ)トヨタ・日産・ホンダは主力車種にHVを投入していますが、メーカーによってはほとんどがガソリン車というところもあります。およそ15年をかけて「オール電動車」の生産体制にするには大がかりな転換が必要です。国は目標を掲げるだけでなくさまざまな支援策を講じていくことが必要になると考えられます。

(参照:NHK サクサク経済Q&A:2030年代半ば 国内の新車販売からガソリン車をなくすって可能なの? | NHK

RE100に取り組む日本企業の事例①アスクル株式会社

アスクル株式会社は「2025 年までに、本社および物流センターでの再生エネルギー利用率を100%にする」という中長期目標と、「2030 年までに、子会社を含めたグループ全体での再生エネルギー利用率を100%にする」という目標を掲げています。

実際に、2018年5月から順次、再生可能エネルギー由来の電力への切り替え(ネクストエナジー社のグリーナ100プラン)を行い、消費電力における再エネ率を上げていく取り組みを行なっています。

なお、アスクルは、RE100のほかに「事業運営に関係する車輌をすべて電気自動車に転換する」という「EV100」にも参加しています。

(参照:太陽光チャンネル:RE100とは?わかりやすく解説!日本企業の取り組みも紹介|太陽光チャンネル

RE100に取り組む日本企業の事例②富士通グループ

富士通グループは、2017年5月に策定した中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」において、2050年までに自らのCO2ゼロエミッションを目指しています。この目標の達成のために、省エネルギーに徹底して取り組むとともに、再エネの利用拡大を促進しています。

具体的には、海外のデータセンターをはじめ国内外の拠点において、各地域に応じた最適な手段を検討し再エネ由来の電力調達を拡大しました。また、エネルギーのマネジメントや貯蔵などの研究開発や技術実証に取り組み、社会全体の再エネの普及拡大に貢献しています。

(参照:富士通グループ公式ホームページ:国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟 : 富士通

RE100に取り組む日本企業の事例③旭化成ホームズ

戸建住宅「ヘーベルハウス」及び賃貸住宅「ヘーベルメゾン」への太陽光発電設備設置を積極的に推進しています。都市部の限られた屋根面積に高容量のパネルを設置する独自技術の開発や、災害時における電力のレジリエンス強化を目指した蓄電池の併用設置などを促進しています。2038年までに事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指しています。

(参照:旭化成ホームズ公式ホームページ20190910_リリース_ 国際的イニシアチブ「RE100」に加盟

最後に

エネルギー問題に対してわたしたちができること

①おうちでの省エネ

エアコンの設定温度は、夏は28℃、冬は20℃にしましょう。使わない電化製品は、主電源を切り、コンセントからプラグを抜いておく、誰もいない部屋の電気は消す、テレビのつけっぱなしはしないなど、一人ひとりの小さな積み重ねが大きな力になります。

②水を大切に使う

普段飲んだり身体を洗ったりするのに使われる水は浄水場で綺麗にしたのちに私達の家に運ばれます。実は運ばれるまでに大量のエネルギーを使用しているのです。節水は、地球温暖化の防止にも繋がります。お風呂でのシャワーの出しっぱなし、歯磨きの最中の水道水の出しっぱなしなど、日頃から気をつけられる事は沢山あります。

③車の使用は控えなるべくバスや電車での公共交通機関や自転車や徒歩で移動する

電車やバスは、一度にたくさんの人を運ぶことができ、車で移動するよりも、一人当たりの温室効果ガスの排出量を少なく抑えられます。また、自転車は、化石燃料を使用せず、温室効果ガスを排出しない、とてもクリーンな乗り物です。近場に買い物に出かけるときは、車ではなく、自転車を使うように家族にも勧めれば、地球にとって良いだけでなく、健康にも良いのでエクササイズがてら実践してみましょう。

(参考:東京都環境局ホームページわたしたちにできること?|東京都環境局

まとめ

私たちの便利な生活支えている「エネルギー」が、私達の住む地球に大きな影響を与えている事は理解出来たでしょうか?「エネルギー」問題は日々増え続け、それと同時に地球温暖化は進行し続けています。

「エネルギー」を「クリーンなエネルギー」に変える事で私達の快適な生活を守るだけでなく私たちの未来をも守る事が出来ます。

今こそ、私達の未来に目を向け「エネルギー問題」と向き合い、私たちが今出来る事を積み重ねていきませんか?

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