【更新日:2021年6月4日 by 佐野 太一】
引用:ユネスコスクール
環境省は5月31日、「持続可能な開発のための教育(ESD)」に関する実施計画(第2期ESD国内実施計画)を策定した。
ESDは、Education for Sustainable Developmentの略称。気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大といった人類の開発活動に起因する問題を主体的にとらえることで、問題の解決につなげる価値観を生み出す学習・教育活動だ。
2002年に日本が初めて提唱して以降、ユネスコが主導する形で国際的に推進されてきた。2015年に国連でSDGsが採択されてからは、その理念を普及させる活動として注目を集めている。
2019年12月の国連総会では、「持続可能な開発のための教育:SDGs実現に向けて(ESD for 2030)」として活動推進のための国際的な枠組みが採択された。
環境省が発表した計画では、「ESD for 2030」 の理念を踏まえ、ESDがSDGs達成に貢献するという考えが初めて明確にされている。「ユネスコ未来共創プラットフォーム」や「ESD推進ネットワーク」などを活用し、ESDを自治体やNGO/NPO、企業、教育機関を巻き込んだ取り組みに発展させることが狙いだ。
「ESD for 2030」で設定された5つの優先行動分野と日本が取り組む課題は、以下の通り。
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この取り組みが全国に広がることは、日本発の考え方が世界中に普及するきっかけになるかもしれない。
SDGsゴール4「質の高い教育をみんなに」では、「すべての学習者が持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする」ことがターゲット4.7として重視されている。10、20年後には社会の主役になる世代に正しい知見を届けることは、持続可能な社会を実現するカギとなるはずだ。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。